新潟食料農業大学 Niigata Agro-Food University

学長コラム

【第44回】ミシシッピ・ハイウエイ

2018.11.23

13回、14回のコラムで「食料自給率」を取り上げ、低下の原因には、
「食生活の向上に伴ってトウモロコシなどの畜産飼料原料と
大豆などの油糧原料の増加があった」と解説をしました。
では、そうした穀物、大豆はどこから、どうやって日本に来るのでしょうか。 

今回は、穀物、大豆の大輸出国「アメリカ」の国内の輸送事情をお話しします。

米中の貿易戦争 
両国の貿易戦争は、お互いの報復措置の応酬を呼んで、
アメリカ中西部の農家に甚大な影響を与えています。
中国は、大豆の世界貿易量のおよそ半分にあたる1億トンを輸入に依存し、
その大半がアメリカからですので、25%の関税上乗せは
アメリカ産大豆の国際競争力をブラジルやカナダと比べて低下させます。
ちなみに、日本の輸入状況は、大豆で300万トン、小麦で550万トン、トウモロコシで1400万トンでしょうか。

 コーンベルトは大豆ベルト 
アメリカの大豆やトウモロコシは、「コ-ンベルト」といわれ
積出港からは遠い中西部のイリノイ、ネブラスカ、アイオワ、ミズ-リが主産地です。
輸出港のニュ-オルリンズまで、ミネソタからメキシコ湾まで全長6000kmのミシシッピ川が担っています。
そして、その維持・管理は、陸軍工兵隊(コ-プス・エンジニア)が行います。
セントルイス付近までは、船底を擦るような急流にダムとロックゲ-ト(船用エレベ-タ-)を建設・管理し
下流では、堆積する土砂を浚せつするのが役割です。

 ミシシッピ・ハイウエイ 
ミシシッピ川に穀物を満載した一群のバ-ジ(鉄道でいえば連結の貨車)が、
トウボ-トに押されながら、ゆっくりと下っていくシ-ンは壮観です。
大体の運搬量は、一群20000トンぐらいでしょう。
(西海岸のポ-トランドへはユニットトレインと呼ばれる貨物列車もあります。
100両連結で1マイル=1.6kmですから、都会の列車であれば
先頭車両が駅に着いた時、最後尾はまだ前の駅という感じです)

 モノは川の道 
かつてのコラムで「ヒトは陸の道、モノは海の道」と書いたことがあります。
アメリカ穀物の世界では、さしずめ、「モノは川の道」でしょうか。
ダム&ロックスをインタ-ネットで検索してみてください。
意外なことに、発明の地は、急流を抱える日本であることが分かりますし、
パナマ運河のことも解説されています。