【第55回】山の油絵がやって来ました

学長コラム 2019.4.26

今回は、山と山の絵の話題です。
胎内の学長室に、大学時代の同級生で登山の仲間が描いてくれた北アルプスの油絵を掲げました。
横80cm×縦60cmと大きなものですが、気に入っています。
題名は「前穂高岳北尾根・春」、残雪が豊富な春の山並みを描いた壮大なものです。
かつて2人がザイルを繋ぎ登ったことを思い出して描いてくれたのでしょう。
皆さんも気軽にお越しください。

 

カールを囲む山々
絵の前景をなす涸沢カール(氷河圏谷)は、初春から晩秋にかけて、
日本の山では最も美しい場所の一つと言われています。
ここにテントを張れば、数多くのピークが目指せて、満足できる登山になります。
向かって左~右へ、半円状にこのカールを囲んだ山々は、
絵に描かれた前穂高岳(3090m)、奥穂高岳3190m)、涸沢岳3110m)、北穂高岳3106m)と
3000m超の山を4座も抱えています。

 

新雪穂高の岩登り
涸沢カールから始まる北尾根登攀ルートは、
主峰から数えて5番目と6番目のピーク鞍部=五六のコルに取り付き、
5→4→3→2峰と辿って1峰である前穂高岳へナイフリッジを2時間半ほど進みます。
岩登りですから、2人はただ1本のザイルに結ばれて快適なロッククライミングを楽しみました。
そこからさらに、奥穂高岳山頂を踏み、白出乗越、ザイテン・グラードを経由して、
ほぼ1日がかりの登山でした。いまから50年も昔の思い出です。

 

新潟は「山岳王国」
上越新幹線に乗って、新潟を目指せば、
浦佐・長岡辺りでは、越後(魚沼)三山の八海山、中岳、駒ケ岳の1800~2000m級の姿が見事ですし、
新発田・胎内からは、とくに4~5月には、
前山の春景色の南東・後方には、真っ白の飯豊連山の主峰が展望できます。
飯豊山(2105m)、大日岳(2128m)、御西岳(2012m)などでしょう。
南アルプスにも負けない堂々たる山容です。
140年前のイサベラ・バードの記述を思い、飯豊連峰の遠望も心が和みます。

 

三都物語
話はわき道に逸れますが、中央本線の松本に降りると、駅前に一本の柱が立っています。
その3面に「(山)岳都」「(問)」「(音)楽都」と表示されています。
ガクト」と、このようなシャレたいい方もできるのですね。

(注)「学」は「信州大学」、「楽」は「サイトウ=小沢征爾の記念音楽祭」 

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