学部長メッセージ
NAFUで学ぶ意義
お米、肉、野菜、果物などの農産物やそれを加工した食品は、新潟県内の農家や食品メーカーをはじめ国内外で生産され、皆さんの住む地域まで運ばれ、家庭で料理されたものを食べ、レストランなどで料理という形で消費しています。こうした生産から加工・流通までを一体的にとらえて食料産業といいます。また食料産業の成立を前提に生産から消費にいたる過程を食料システムといいます。このシステムでは人々の需要に応じた食料生産が行われています。誰がつくり誰が食べるのかが見えないのに不思議だと思いませんか。その秘密は、市場において形成される価格や消費者の食べたいという気持ちを示す情報がシグナルとして産地に伝わり、それを察知して食料が生産されているからです。もちろん情報を読み違えてたくさん作りすぎてしまうことはあります。食料は、家電製品や自動車などと比べ、人が生きていく上で必ず毎日摂取しなければならないという意味で必需品といわれます。でも胃袋の大きさ(=消化能力)に制約され、おなかがいっぱいになると食べられないという特徴があります。
本学では、そうした食料の特徴を前提に、アグリコースでは需要に応じた農業生産にとって必要な知識を学び、実験・実習を通じて体験します。また、フードコースでは、需要に応じた食品製造にとって必要な知識を学び、実験・実習を通じて体験します。そして、ビジネスコースでは、消費者の気持ちをつかみ、生産サイドにつなぎ円滑な事業運営の推進方法について必要な知識を学び、フィールド調査を通じて体験します。
また、日本政府は、世界に向けて2050年に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする約束をしました。本学でもその実現に向けて、化石燃料の少ない生産システムや需要に応じた生産による食品ロスの減少のための取り組み、それを促していく情報の利活用も授業やゼミ活動などを通じて学びと体験をしていきます。
本学では、こうした専門的な知識の深化と専門分野とは違う分野の知識の探索を一体的に学んでもらい食のジェネラリストとして育成します。
若い皆さん、私たちと一緒に学び活動し、地域社会の再生と農業、食品産業の発展に貢献していきませんか。
新潟食料農業大学食料産業学部長 食料産業学科長
武本 俊彦
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