小熊 哲哉

Tetsuya Oguma
教授

学位 博士(農学) 北海道大学 1994年取得
担当科目 基礎ゼミⅠ、科学Ⅰ・Ⅱ、食品科学実験・実習、微生物利用学、食品プロセス学実験・実習、卒業研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
専門分野 応用微生物学、生物化学、醸造発酵、応用糖質科学
研究テーマ
  • 有用物質を生産する微生物の検索と有用物質生産
  • ゲノム編集技術を活用した醸造発酵微生物の育種と実用化
  • 醸造微生物を活用した機能性物質生産の研究開発と事業者支援

高校生へのメッセージ

皆さんはサイクロデキストン(CD)という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、サイクロデキストン(CI)という言葉を聞いたことがありますか?実はこれ、今から約30年前の1993年に、新しく発見された環状オリゴ糖の名称です。名付け親は、私と食品総合研究所(現農研機構食品研究部門)の小林博士らです。最初は、イソサイクロデキストンという名称にしていましたが、より実態をわかりやすく伝えた方が良いということでそのように変更しました。この環状オリゴ糖は、当初はCDよりも大きなゲスト分子を包み込むことができる(包接能)物質として見つけましたが、思ったほどその能力は強くなく、意外にも、虫歯菌が砂糖から作る歯垢の基になるムタンの合成を特異的にかつ強力に阻害するということで虫歯予防(抗う蝕)物質として現在も注目されています。このように科学の世界は、発見者が自由に命名することが可能で、しかも永久に残ります。皆さんも世界に名前を刻みたいと思ったら、是非、一緒に研究をして新しい物質や菌を発見しませんか?

企業へのメッセージ

企業の皆様、新潟県の農林水産業は米を基幹としてそこに海の幸、山の幸が加わりとても農林水産資源に恵まれていると思います。この恵まれた資源をより付加価値の高いものに変える2次加工、3次加工を施すことにより、新潟県の農林水産資源はさらに大きな付加価値の向上が望めるでしょう。

私の専門は、醸造・発酵であり、この付加価値向上のお手伝いができるのではないかと考えておりますので、新しい製品開発、技術開発等をお考えでしたら、是非、お声がけください。多少なりとも製品の品質や生産技術向上に貢献できるものと考えております。特に糖質や乳酸菌に関する工夫等には、いろいろと知恵を出せると思いますのでどうぞよろしくお願い致します。

近年の納豆・ヨーグルト等の発酵物ブームは、発酵物が美味しさだけではなく健康にも寄与していることが大きいと思います。これから一緒になって農林水産業をベースにした新潟県の醸造・発酵・加工食品産業を盛り上げていきましょう。