長島 裕二

Yuji Nagashima
教授

学位 農学博士 東京大学 1989年取得
担当科目 食料産業概論、基礎ゼミⅠ・Ⅱ、食品学概論、生物資源循環論、食品化学、科学Ⅰ、動物生産学概論、食品生産科学基礎実験・実習、食品分析学、食品科学実験・実習、畜・水産物利用学、卒業研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
専門分野 食品化学、生理活性化学
研究テーマ
  • 水産未利用資源の有効利用
  • 水産食品の安全性評価
  • 海洋生物毒の分析

高校生へのメッセージ

限りある海洋生物資源(魚貝類、海藻、藻類、微生物)を有効に安全に利用しようというのが、私の研究コンセプトです。例えば、魚を食べるとき、ほとんどの場合、皮、内臓、骨は食べられないで廃棄されます。しかし、皮からは良質のコラーゲンが、内臓からは健康にいい魚油がとれ、これらは食品や医薬品の原料として利用されています。また、食べることなく捨てられていたエビやカニの甲羅から抽出されるキチン、キトサンは幅広い方面で利用され、何の価値もないと思われていた海綿からはいくつもの抗ガン剤が開発されています。 さらに、フグがもつ猛毒のフグ毒は神経麻痺を起こしてときどき食中毒を起こしますが、神経を麻痺させるという作用を利用して、フグ毒を鎮痛剤や鎮静剤にしようという試みもあります。発想を変えることで、毒のように困ったもの、無駄なものもアイデア次第でうまく利用することができるかもしれません。捨てられていたもの、見向きもされなかったものにも活躍の場をつくり、限りある海洋生物資源を無駄なく、安全に、有効利用しましょう。

企業へのメッセージ

これまで、限りある海洋生物資源を有効に安全に利用しようコンセプトのもと、水産物を中心に研究を行ってきました。具体的には、水産食品廃棄物となる魚類の皮や内臓、あるいは未利用部位から機能性成分や医薬品等の素材の開発を目指して研究を行っています。魚類の皮から新規の抗菌タンパク質、プロテアーゼ阻害剤、中性脂肪吸収抑制作用、アンジオテンシン変換阻害活性などさまざまな生理活性を見出し、現在、これらの応用を検討しています。 食の安全に関する研究では、主に動物性自然毒(マリントキシン)による食中毒に関する研究を行っています。食中毒が発生した場合、原因究明のため中毒原因食品と原因物質の特定が必要です。このため、魚貝毒の検査法の開発、特に非破壊的に迅速に原因物質を検出して食用の適否を判断できる検査分析法の開発に取り組んでいます。一方、中毒原因食品の究明には遺伝子による種判別法が有効で、わが国で魚貝毒による食中毒事例の多いフグ類と貝類について実施してきました。遺伝子による生物種判定は、加工品の原材料も正確に判別できることから、食中毒やアレルギー原因食品の特定にとどまらず、食品表示の真偽判定ならびに偽装表示の抑止にも役に立ちます。

業績等

論文
  1. Yuji Nagashima, Akira Ohta, Xianzhe Yin, Shoichiro Ishizaki, Takuya Matsumoto, Hiroyuki Doi,
    Toshiaki Ishibashi. 共 著 , 筆 頭 .Difference in uptake of tetrodotoxin and saxitoxins into liver tissue slices among pufferfish, boxfish and porcupinefish.Marine Drugs.2018;16:17. doi:10.3390/md16010017(原著論文)(発行済)
  2. Chuang Pan, Shoichiro Ishizaki, Yuji Nagashima, Jialong Gao, Shugo Watabe. 共 著 .Isolation and cDNA cloning of a novel red colour-related pigment-binding protein derived from the shell of shrinp,
    Litopenaeus vannamei.Food Chemistry.2018;241:104-112(原著論文)(発行済)
  3. Chuang Pan, Shoichiro Ishizaki, Yuji Nagashima, Shugo Watabe. 共 著 .Functional and structural properties of red color-related pigment-binding protein from the shell of Litopenaeus vannamei. Journal of Food Agriculture.2018:DOI 10.1002/jsfa.9361(原著論文)(発行済)
  4. 長島裕二.単著.広がる海洋生物の毒.Ocean Newsletter.2018;435 号:6-7(解説)(発行済)
  5.  
報告書
  1. 長島裕二,永井慎,松本拓也.科研費基盤研究(B).バイオイメージング法によるテトロドトキシンと輸送タンパク質の動態解析.研究実績報告書.2015~2018(研究代表者)
学会等研究発表
  1. 岡山桜子,桐明絢,永井慎,石崎松一郎,長島裕二.フグ卵巣ぬか漬けの毒性と毒成分.平成 30 年度日本水産学会秋季大会(広島県東広島市),2018 年 9 月 15 日~18 日(一般発表)

  2. 岡山桜子,桐明絢,永井慎,石崎松一郎,長島裕二.フグ卵巣ぬか漬け工程における減毒.平成 30 年度日本水産学会秋季大会(広島県東広島市),2018 年 9 月 15 日~18 日(一般発表)

  3. 松下直樹,高橋晶子,山本千里,松本拓也,長島裕二.トラフグの有機カチオントランスポーターoct6 をコードする slc22a16 遺伝子のクローニング.平成 30 年度日本水産学会秋季大会(広島県東広島市),2018 年 9 月 15 日~18 日(一般発表)

  4. 小山夏美,石崎松一郎,柳本卓,長島裕二.フグ交雑種の両親種判別法に関する研究.平成 30 年度日本水産学会秋季大会(広島県東広島市),2018 年 9 月 15 日~18 日(一般発表)

  5. Chuang Pan, Shoichiro Ishizaki, Yuji Nagashima.Reconstruction and structural analysis of red color-related pigment-binding protein derived from Litopenaeus vannamei.平成 30 年度日本水産学会秋季大会(広島県東広島市),2018 年 9 月 15 日~18 日(一般発表)

  6. 長島裕二,横塚峻介,大木理恵子,石崎松一郎,村田匡.探針エレクトロスプレーイオン化質量分析計を用いたフグ毒分析法の検討.第 114 回日本食品衛生学会学術講演会(広島県広島市),2018 年 11 月15 日~16 日(一般発表)

  7. 山田実沙子,金原葉子,高威,土井啓行,吉川廣幸,辰野竜平,長島裕二,高谷智裕,荒川修.海産フグと淡水フグの TTX/PST 蓄積能.第 114 回日本食品衛生学会学術講演会(広島県広島市),2018 年 11 月 15 日~16 日(一般発表)

  8. 長島裕二,江澤歩実,大木理恵子,横塚峻介,石崎松一郎,松本拓也.魚卵ビテロジェニンはテトロドトキシンを結合する.平成 31 年度日本水産学会春季大会(東京都港区),2019 年 3 月 26 日~29 日(一般発表)

  9. 永井慎,長島裕二.ナトリウムチャネルとテトロドトキシンの結合シミュレーション.平成 31 年度日本水産学会春季大会(東京都港区),2019 年 3 月 26 日~29 日(一般発表)

  10. 永井慎,長島裕二.放射性テトロドトキシン合成設計に関する研究.平成 31 年度日本水産学会春季大会(東京都港区),2019 年 3 月 26 日~29 日(一般発表)

  11. 長島裕二.石川県特産品フグ卵巣ぬか漬けの減毒.第 35 回マリントキシン研究会(東京都港区),2019 年 3 月 26 日(招待講演)

所属学会
  1. 所属学会
    日本水産学会,日本食品衛生学会,日本中毒学会,International Society of Toxinology,マリントキシン研究会
  2. 学術集会の主催
    ・第 35 回マリントキシン研究会,会長,東京都港区,2019 年 3 月 26 日
  3. 学会等の役職
    日本水産学会 企画広報委員会委員長,日本水産学会 選挙管理委員会委員長,日本食品衛生学会 学会活性化委員会 委員,マリントキシン研究会 会長
社会活動
  1. 1) 公開講座・講演会等
    ・第 16 回シーフードショウ大阪 国際フグ協会セミナー,「北陸名産ふぐ卵巣糠漬けの解毒システムの秘密!?」について講演,講師,一般,大阪府大阪市,2019 年 2 月 21 日
    2) TV 出演,ラジオ出演,新聞掲載,一般雑誌掲載等
    ・日刊水産経済新聞,「卵巣のぬか漬けのメカニズム解き明かす 塩蔵による減毒で可食化」,2018 年 11
    月 21 日
    ・FM 東京 高橋みなみ「これからなにする」,番組内での電話インタビューで貝毒について解説,2018 年 5 月 10 日
    ・月間 磯・投げ情報 2018 年 6 月号 82 ページ,海や魚の不思議をひもとく,2018 年 6 月号
    ・夢ナビ 講義 No. 09373,「毒やウイルスと闘い,安心安全な水産物を作るには」,2018 年 8 月 1 日
    3) 社会活動への参加・協力
    ・第 10 回フードメッセ in 新潟 2018,新潟食料農業大学のブースで「廃棄される魚類皮の有効~健康機能成分の探索~」についてポスター発表,一般,新潟県新潟市,2018 年 11 月 7 日~9 日
    ・一般社団法人楽水会,楽水会メールマガジン第 116 号に「ふぐを巡る最近の関心ごと」を掲載,一般,
    東京都港区,2019 年 2 月 1 日
    4) 公的機関(官公庁等)の審議会,委員会等の名称と役職
    内閣府食品安全委員会 かび毒・自然毒等専門調査会 専門委員
    5) 職能団体(各協会,士会等)の委員等 一般社団法人食品環境検査協会 評議員
その他の教育研究活動
  1. 外部資金(科学研究費等)の受入研究費の内容
    ・2015~2018 年度,基盤研究(B),バイオイメージング法によるテトロドトキシンと輸送タンパク質の動態解析,代表 長島裕二(継続)

  2. 学外兼務講師等
    ・新潟県立海洋高校 出前授業,2018 年 6 月 29 日

学内委員会活動 教務委員会(委員長)

関連リンク

本学教員による学問のミニ講義