学長・研究科長メッセージ

学長メッセージ

新潟食料農業大学 学長
渡辺 好明

大学院の新設について

新潟食料農業大学に大学院が開設されます。

大学院の目指すところは、「食」と「農」をマーケットインとフードチェーンの観点から、より広く、より深く、より高度に研究して、「地域」に還元し、国際社会の発展にも貢献しようとするものです。そのようなことから、私としては、本学の学部卒業生にとどまらず、他の大学や海外の大学、そして、ひとたび社会人となったが、「食料産業」が抱える課題を認識し、さらに学び研究を深めたい方々の入学も大いに歓迎したいと思います。

新潟食料農業大学では、「地域とくらしに役立たないようでは学問とはいえない」との考え方の下で、地域における「知の拠点」としての足場を固め、国際社会に進出する教育・研究を進めています。研究機関としての「新潟食料健康研究機構」もスタートさせていますし、今後は、学際の領域を超えて食と医療、福祉、スポーツとの連携、産官学間の連携も進めます。

産業も教育・研究も、立ち止まることは許されません。「現代」とは「歴史の一通過点」でありますし、あらゆる商品、技術、社会構造は、コモディティ化する宿命を背負っていますから、たゆみない努力でイノベーションをもたらすよう、その基礎となる教育・研究が求められているのだと思います。将来を見据えて、 “Change to remain the same”で取り組む大学院でありたいと考えます。

また、新潟食料農業大学は、かねて、高度な専門知識を持ったジェネラリストを養成する、マーケットインの発想に立って、従来は越えるのが困難であった研究~開発~実用化の間に存在する「死の谷」をクリアする、自分自身で方向を考えオリジナリティ高い研究を行うことを基本にしてきました。

いま、地域も、日本も、国際社会も大きく変わりつつあります。地球温暖化への対応として「カーボンニュートラル2050」が既にスタートしていますし、SDGs、ESG、そして、グリーンニューディールも実現・達成が必須のことになってきています。本大学院では、食・農・地域を循環するフードチェーンをつかさどる「食料産業」に関して、より高度な研究を通じた社会貢献が可能です。

過去の慣例などに縛られず「自由で」、他者の考え・行動を重んじる「多様な」、好奇心を起点とする「創造性豊かな」研究を行って社会に還元していきましょう。

皆さんの入学を心から期待しています。

食料産業学研究科長メッセージ

食料産業学部 研究科長
中井 裕

大学院設立にあたって

新潟食料農業大学は2018年の開学以来、食と農に係る課題の解決に取り組み、実社会に直結する教育・研究および人材育成を通じて地域と国際社会の発展に貢献することを目的として教育・研究を行ってきました。

食料産業学部が目指す人材育成は「高度な専門性を身につけた食のジェネラリスト」です。

食料産業とはどのような産業でしょうか。一般には食料を人間に供給するための産業と捉えられますが、生態系サービスを支えることも重要な役割でもあります。

食料は、天然物、農産物あるいは人工的に製造または加工したもので、食用に供するものなど、食べ物全般を指し、様々なものが含まれます。また、生態系サービス(ecosystem services)とは「生態系が人間に与える恵」の意味で、生態系は、食料、遺伝資源、安定的な環境、景観、観光の場などを人に供給しています。したがって、食料産業は、地球上の生態系を支えながら、生態系の中で食料を生産し、人々の口に届ける産業ということになります。食料産業には、狩猟採集、農林水産、加工、製造、流通、飲食、資材供給、関連投資の全段階が含まれます。それぞれの段階は、フードチェーンとよばれるネットワークを形成し、相互に密接に絡み合っています。このように複雑な食料産業を学び研究するのが「食料産業学」です。食料産業学は、生命、環境、社会に関する科学を基盤とし食と農に係る産業全体をカバーする新しい学問分野です。

本学では、「高度な専門性を身につけた食のジェネラリスト」を育ててきましたが、これらの食のジェネラリストがより広い視野と、より高い研究能力とより深い専門性を持つことによって、地域および国際社会の食料産業のさらなる成長・発展に貢献できると考え、大学院修士課程を設置することとしました。

本修士課程のカリキュラムは、柔軟に食・農・ビジネスの各領域を総合的に・横断的に学び、研究できるよう準備されており、農林水産業・加工流通業・関連産業を包含する「食料産業」について精深な学識を修得できます。大学院修了後は、食・農に係る企業や行政機関等における実践現場のリーダー、食・農に係る企業や行政機関等における研究・開発専門職、食・農に係る事業の起業、大学・専門学校等の教員などとして、食料産業が新たに進む道を開拓して貰いたいと考えています。