【第71回】思考の整理学 ― 読書のすすめ

学長コラム 2020.3.6

「思考の整理学」(外山滋比古著・ちくま文庫)は、1983年の発売以来
240万部を売り上げ、いまでも人気は衰えないそうです。(販売価格520円)

 

外山先生は私の出身大学の大先輩で、
1年生のときに英語を教わったはずですが、授業のことはなに一つ覚えておらず
「どう考え、どう生きるか」といった中身の濃い雑談が楽しみでした。

 

この本の評判は、表紙の広告にも見られるように
「“もっと若いころに読んでおけば・・・”そう思わずにはいられませんでした」
と言わせるほどなのです。

自分でも読み返してみて、同じ印象を持ちました。
新入生の方々はもとより、これから「卒業研究」に取り掛かることになる皆さんにとっても
有用な本だと考え、その一部を独断の超要約で紹介しましょう。

 

1.先生と教科書に引っ張られて勉強するだけでは、
  推進力を持たないグライダーのようなもので、新しい文化の創造にはつながらない。
  知識とともに、自ら考え、進める飛行機になることを心掛ける。

2.他人からの問題に答えるだけではなく、
  「なぜ?」と問うて、自ら問題を作るようにする。

3.外からテーマを与えられることを期待せず、
  多くの情報を積極的に収集し、考え、整理し発酵させる。

4.優れた考えが浮かぶ場所を<三上>という。
  馬上
(交通機関)、枕上(ベッド)、厠上(トイレ)は、
  寝かせていた情報が整理されて、アイデアに出来上がる場所でもある。

5.情報は幅広く集め、カード・ノートに残しておいて、
  ときに棚卸してみると新しい形になることがある。
  これを、「カクテル化」という。

6.脱線の話は、案外印象に残る。
  克明なメモは忘れられてしまうこともある。

7.最初から整然としたものを書こうとするから、行き詰まる。
  なにはともあれ、まず書くことに踏み出して、推敲、整理は後から追いかける。

8.書いたもの、整理したことは他人に見てもらい
  話して、確認し、精度を高めていく。

 

かなり乱暴なエッセンス計上の仕方だが、この素晴らしい、役立つ本を
皆さんにはぜひとも読んでほしい。

オープンキャンパスでも基礎ゼミでも話したように
「答えることは誰でもできる、質問・提案をすることが大事だ」とも共通するのです。

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