【第74回】「国会」というところ① 霞ヶ関・永田町の表現

学長コラム 2020.4.24

内政、外交、経済、「新型コロナ」と慌ただしい毎日が続き、
総理、官房長官、担当大臣の国会答弁、記者会見も頻繁です。
そこから受ける強い印象は、
「官界用語が永田町(官邸、国会、自民党本部の所在地)に伝染し、浸透してきたなあ」
という思いです。

霞ヶ関(各省庁)では、用語の一つ一つに厳密な用法、意味がありますが、
政界の方は、なんとなく感覚だけで安易に用いられているきらいもあって気になります。
ものごとを見聞きするときは「トンボの目(複眼)で」とお話しましたが、
記憶をたどって用語の解説を試みます。

 

■ある意味で、その意味で、それなりに、私なりに…
 自分の土俵内のことだけ、他は責任を持ちませんが…。
■当面、当分の間、暫定的に…
 短くはありません。こいつは長くなりそうだ。
 (例えば、加工用原料乳の不足払い制度は「暫定措置」ながら、1965年から55年間も続いている)
■結果的に、〇〇と受け取られたのであるとすれば…
 オレに責任はないよ。出てきた結果が悪い、誤解するアンタの方が悪いんだ。
■直ちには××しない…
 分からないけれどたぶん大丈夫でしょう。あとで悪かったらゴメンね。
■可及的速やかに…
 まあ、とりあえず急いではみますけど。
■スピード感を持って…
 「感じ」が第一、「印象」だけはしっかり。
 (スピーディに、とか速やかにとは似て非なるもの)
■最大限の努力を、できうる限り…
 結果よりプロセスが大事なのです。
 (典型的なのが「可能な範囲で、できうる限り by菅内閣・枝野官房長官」)
■当たらない、なしとしない、真摯な対応、しっかりと、きっちり…
 かつては「使ってはいけない」用語とされていました。
 「しっかりと」「きっちり」はこのところ閣僚たちからも頻発で、
 行く末は→「がっかり、ガックリ」でしょう。
■詳細は把握していない、きちっとは捉えていない…
 本当は、全然知らないのです。
■××とは認識していない…
 知らない、知っていてもそう思わなかったという意味。
■可能性はゼロではない…
 こよなくゼロに近いということ by斑目原子力委員長
■明らかに「あまりいいことではない」…
 「よくない」とハッキリいいなはれ!
■…とは思う…
 ほう、ほう、それで?それ以外のことはどうですか?
■ほぼ「断定」…
 <ほぼ>なのか<断定>なのか、ハッキリしろ!
■一定のメド、いわゆる、等々、させていただく…

 

まだまだ、書いていてキリがありません。
ごく最近の用語では、
コロナ支援策で与党から要請のあった「一律10万円給付」に対し、
その回答が“方向性を持って検討する”という表現もありました。
なぜもこう難しくするのでしょうか。

なお、この国会シリーズですが、回を改めて続けたいと思っていますのでご期待ください。

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