【第7回】世界が魅了される日本食 和食文化とUNESCOの世界遺産

学長コラム 2017.12.8

世界遺産になった 「和食文化」 
平成25年12月に、和食文化が 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産になりました。
登録されたのは、和食「文化」で、背景には、
①多様で新鮮な食材と持ち味の尊重
②健康的な食生活を支える栄養バランス
③自然の美しさや季節の移ろいの表現
④正月などの年中行事との密接な関わりがあります。
家族、仲間との「共食(きょうしょく)」、地域行事への積極的参加が評価されています。
また、「世界遺産」とは遺物ではなく遺産=Heritageなのですから、<伝える、引き継ぐ>ことが大事です

「日本型食生活」はPFCバランスが理想的
1977年、アメリカの上院議会では、米国民のカロリ-、脂質の過剰摂取を指摘し、
「アメリカの食事目標」としてP=タンパク質、F=脂質、
C=炭水化物のバランスが優れた日本型食生活(P:F:C=15:25:60)を例示しました。
健康的な食事としての「和食」の海外展開の始まりです。(いまは、日本人も脂質の過剰が問題です)

和食の世界への普及 
「健康的」と引用されて以来、和食は、とくに寿司がリ-ドし世界へ広がりました。
もちろん、それぞれの国の素材や嗜好に合わせて寿司ネタも変わります。
それと同時に、醤油(Soy-sauce)やワサビも一般化し、料理ベ-スに「旨味」(ダシ)が用いられています。
また、和食にフィットする日本酒も輸出を拡大して、コメ製品の輸出振興の中心になりました。

FBIの拡大、浸透で「ビジネスチャンス」 
日本食を普及する人材を育成して海外に伝える(Made From Japan)、
食文化や食産業を海外で展開する(Made By Japan)、
日本産の農産物・食品を輸出する(Made In Japan)、
これら3つの流れはFBIと呼ばれ、どれにもビジネスチャンスが大いにあります。

NAFUでは「和食」に対して、素材そのものを「農」の視点から作り、
「食」の視点で世界が求める味を研究し、
どう世界へ発信していくかを「ビジネス」視点からアプローチしていきます。
4年間必修の英語の授業も「和食」の発信のため、重要なスキルの一つになっていきます。

 

  •  *次回は、「和食文化とUNESCOの世界文化遺産」です。       (渡辺こうめい)

関連記事

NAFUマガジン一覧へ