【第83回】超・大トロ 「アブラソコムツ」に要注意

学長コラム 2020.8.28

閑話休題にはなるが、久しぶりに、水産・魚・食べ物?についてやや不気味なことを書いてみたい。

<アブラ・ソコ・ムツ>は、その名のとおり、
脂肪分が高く、②深海に生息する、③ムツに似た魚です。
ただし、科、属、種は全く異なるので、ムツの近縁とはいえません。

はじめに結論をいってしまいますが、食品衛生法では販売が禁止されているにもかかわらず、「通(つう)」の間では、「大トロのブリよりうまい。ただし、3切れまで」などとして、いわば<自己責任>で食べられています。
水産担当のころに誘われて、<直ちに・お断り>しました。

 

捕獲地域・仲間 
数百メ-トルの深海に生息、体長100~150cmと大きく、引きが強い。
スポ-ツフィッシングには適している。
釣り上げたものをつい食べてしまうのではないでしょうか。
仲間には同科、異属に「バラムツ」がいて、その成魚は2mを超えるものもあると聞きます。

 

成分の特徴
魚肉の色は白く脂肪成分はワックスエステルで人間は消化できません。
大トロに似て美味とされるが、有害です。

 

人体への影響・症状 
多量に摂取すると、油脂分は皮膚や肛門からそのまま漏れ出したり、下痢、腹痛、重篤なる昏睡事例も報告されています。
便意など一切生じないで「前触れもなく垂れ流し」といいますから実に不気味です。

 

よその国では? 
海を共通にする中国、韓国、台湾などで刺し網や延縄(はえなわ)にかかることがあり、
マグロ、サケ、タラと称して偽装流通が絶えません。
韓国、中国では、食品衛生法で流通は禁止です。
台湾では、カラスミ(ボラの卵の加工品)のようにして取引されているとの話もあるようです。

かくしてこの魚、いってみれば、
「フグは食いたし、命は惜しし」のフグの卵巣のようなものでしょうか。
また、<3切れまで>と聞くと通(つう)ぶっている若旦那に腐敗した豆腐を食べさせる<落語・酢豆腐>のオチにも似ていて「酢豆腐は一口に限る」を思い起こします。

水産系の大学、市場の卸・仲卸業者の間で
きも試し、面白半分で食べることがあるやに聞きますが、皆さんは決して食べてはいけません。

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