【第98回】へぎそば ― 小千谷、新潟駅、そして飯田橋

学長コラム 2021.4.9

久しぶりに食べ物の話です。
しばらく前の学長コラムや「基礎ゼミⅠ」で、好物として、佐渡の「イゴネリ」を取り上げたことがありますが、今回は、もう一つの新潟名産で好物の「へぎそば」について記します。

これを初めて食べたのは、30年前の小干谷ででした。
コース料理の宴席で、カジカ酒(焼き干の川魚・カジカに超熱燗を注いだ香ばしい日本酒)、クジラ汁(皮付きの塩鯨の脂身と野菜などを煮込んだスタミナ食)を堪能した後の仕上げに、「へぎ」(長方形のお盆のような木の器)の上に一口サイズに丸められたおそばが出てきて、大満足、感激したことがあります。

 

へぎそばの特徴・由来

そのへぎそば発祥の地は、小千谷、十日町などの魚沼地方で、ふつうは「もり蕎麦」のようにして食べますが、薬味はワサビだけでなく「カラシ」で食べることもあるようです。
製麺時には、つなぎに一般的な小麦粉、山芋、タマゴなどではなくて、名産の「小千谷縮」のヨリにも使う「フノリ」が当てられます。
コシが出ますし、海藻ですから整腸作用もありますので、宴席の上りには最適なのです。

 

新潟駅前 ― へぎそば、タレカツ丼、食用菊

魚沼地方には、へぎそばの老舗が各地にありますが、JRの新潟駅・新幹線南口にも、十日町が本店の「小嶋屋」の店があり、順番を待つお客さんたちでいつも賑わっています。
「へぎそば」の小箱と「ミニ・タレカツ丼」のセットを選択して、食用菊(かきのもと)の酢のものでも追加すれば、いかにも新潟の食文化オンパレードに浸っているという感覚が沸き上がってきます。
ちなみに、菊を食べる習慣は新潟、東北にあり、案外とエディブルフラワーの歴史は古いのです。

 

飯田橋の居酒屋 ― 笹陣

へぎそばの店は東京にもありますが、紹介するのは、飯田橋の商業ビル内の居酒屋です。
地下鉄では隣駅・江戸川橋の近くで毎月2回「謡曲」(うたい)の稽古があります。
そして、その帰りには必ずといっていいほど、夕食を兼ねてこの居酒屋「笹陣」に立ち寄り、地酒(いつもは八海山ときどき麒麟山)+新潟料理+ヘぎそばのコースが定番です。
新潟を思い起こしながら過ごす、穏やかなひとときになります。

 

注)クジラ汁ですが、「不飽和脂肪酸」とはいえ高脂肪分ですから、食べ過ぎないようにしましょう。

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