【第120回】英語のこぼれ話 その6ー①

学長コラム 2022.2.18


久しぶりに英語の話です。
中学校から現在まで、考えてみれば60年以上も英語に触れてきました。
聞く、話す、読む、書くなど、なかなか思うようにはいかないのですが、ときには「分かった」「聴きとれた」「ああ、そうか、理解できた」などと、ひらめく一瞬に出会って嬉しくなることもありました。
そこで、今回は、経験の中から、そのような場面を2回に分けて紹介しましょう。

大体が易しい英文ですが、厳密さは忘れて読流しで結構です。

 

Is it going down ?(下りですか?)

高校2年のときである。
都心ビルの8階で、教育機材を使った模擬授業のエキストラをクラスメート3人がアルバイトで務め、その帰りのエレベーターのこと、4階で停止しドアが開くとそこに待っていたのは外国の婦人だ。
“Is it going down?”
簡単なので、全員が正確にキャッチする。
しかし、その後の反応は、A=下方を指さす、B=Yesとだけ、C=Yes, it is.
どれが私のだったか想像に任せるが、とにかく、3人全員が正しく聞き取れ、正しく解答できてうれしかった。

 

Red River Valley(赤い河の谷)

中学2年の夏休みだったと思う。
文京区大塚にあった「東京教育大学」でサマースクールが開かれ、英文科の学生たちが、無料の講習会で英語を教えてくれた。
まず、テープレコーダーを何度か回して、アメリカ民謡を流す。
「聞き取れたところを英語でもカタカナでも書いて下さい」
終わると、実際の英文を板書して、解説が始まった。

誰もが知っている歌から入ったので、楽しめ、理解もできて、英語が好きになる。
役に立った一部分を抜き書きしてみよう。

You are taking the sun‐shine that has brighten our pathway awhile.
現在進行形(be+ing)関係代名詞(that)現在完了形(have+過去分詞)と日頃とりつきにくい構文が、楽しんで会得できた。

この“Red River Valley”という曲の<英文の歌詞>を小さくプリントし丸暗記すれば、日常の文法はすべて含まれ、効果的だ。
1番、2番の歌詞全部なら、現在進行形➡未来形➡現在進行形➡関係代名詞(that)➡現在完了形➡命令形➡仮定法現在➡関係代名詞(who)が登場、普段なら放り出したくなるものが、歌で暗記ならば頭に入って残る。
「ぜひ暗記を!」と勧めたい。

 

so~that~

ジョン・ウエイン主演のアメリカ映画 “The ALAMO”、主題歌としては、The Green Leaves of Summerとか「皆殺しの歌」が有名だが、女の子「リサ」を歌う“Tennessee Babe”も懐かしい。
フランキー・アバロンが歌い、何度か聞いているうち、学校で習った構文が当たり前のように登場することに気づいた。
「とても~なので、~だ」英文歌詞は、“You are so sweet that the neighbours all claim. Sugar are melt in your mouth.”
この映画のロード・ショウは、1961年の正月だったかと思う。

 

“ファイブ・ミニュイ”(5分)

パリの「オルリー・ヒルトンH」に泊って、オルリー空港へと歩いていたとき、道が正しいかどうか不安になり、新聞、雑誌、絵葉書などを売る店の女主人に尋ねたところ、How long will it take to air-port? ⇒ 「ファイブ・ミニュイアンフォルマシオン・オフィス・アスク・ゼア」と、英仏混合の返事が返ってきた。
これでも十分通じる。

ちなみに、ミニュイminutes(ミニッツ)、アンフォルマシオンinformation(インフォーメイション)のフランス語読みである。
(It takes five minutes, you can find information office. Ask there, please.)
1977年のことだった。

相手の意図を的確にとらえていれば、自己流でも通じるものだ。

 

To be continued to 120 ‐ ②

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