【授業紹介】日常生活で出したごみ、排水の行方をたどる<食品プロセス学実験・実習>

授業紹介 2022.11.11

3年生フードコース必修科目『食品プロセス学実験・実習』では食品の製造から廃棄にいたる過程について、実験・実習や施設見学を通して学んでいます。

10/20(木)、10/25(火)の授業では「新発田広域クリーンセンター・エコパーク」、「中条浄化センター」を見学!

私たちが普段出しているごみや排水の処理はどのように行われているのでしょうか?

◆10/20(木) 新発田広域クリーンセンター・エコパーク


まずは施設の紹介をしていただきました。新発田広域クリーンセンターは、新発田市とその近隣市区町村の一部の一般廃棄物(家庭ごみ)と産業廃棄物の焼却処理を行っています。ごみの受入れ量の推移や種類別のごみの割合などについて説明をいただいたほか、最近増えているリチウムイオン電池の発火や発熱について動画の視聴し、改めて正しいごみの出し方の重要性について学びました。

その後は中央制御室やクレーン操作卓などを見学し、職員の方の働き方についてもお話をうかがいました。

↑中央制御室。各工程に異常がないか確認します。

↑クレーン操作卓、ごみクレーン。焼却時に高温になるプラスチックごみなどが密集しないようかき混ぜて、焼却工程へと運びます。

焼却炉で発生した熱を有効利用するために交流施設「虹の里交流館」を設置。焼却余熱を活用し、低価格で入浴施設を開放しています!毎週日曜日には変わり湯もしているそうなので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください♪

見学後は食品ロスやリサイクルについてのお話も。
可食部の食品破棄物の発生量はなんと275万トンにものぼるそう。これらの食品ロスを減らすため、食品リサイクルを実際に行っている企業の取組についてもお話をうかがいました。
また、ガラスカレットなどは道路の下に敷くなど、不燃物についてのリサイクル方法についても学びました。

 

続いては「新発田広域エコパーク」へ。

エコパークは焼却処理された残渣(灰)や不燃物の埋め立てと、その埋立地からの浸出水の処理を行う、最終処理施設。

1日に約30トンの灰が運び込まれており、現在の埋め立て地の使用容量は約70%。
あと5年ほどで埋め立て地が満杯になってしまうそう。
ちなみに本学胎内キャンパスで出たごみも、胎内市の中条地区塵芥焼却場で焼却処理されたのち、エコパークに運ばれて埋め立てられます。

埋め立て処分地では匂いや飛散の防止、カラスなどの鳥害対策、土壌の安定化の促進のため、焼却残渣→土→焼却残渣→土・・・と交互に重ねながら埋め立てを行います(サンドイッチ工法と呼ぶようです)。

埋め立てられる灰の中には、人体や環境に比較的低濃度でも悪影響を及ぼす可能性のある物質(重金属など)が含まれており、それらが水に溶けて外部に漏れだしてしまっては大問題となります。そのため、埋立地の底は何層もの遮水シートで覆われています。万が一漏水してしまっても、早期に発見してすぐに処置できる異常検知システムの工夫について教えてもらいました。

ある学生は「授業を通してしか見学ができない施設だったので説明してくださったお話のほとんどが初めて知る内容で学びが多かったです。食品について学んでいる私にとってすごく衝撃的だったのは食品ロス発生量の数です。可食部分と考えられる量275万トンという数字を耳にした際今まで食品ロスについて漠然と問題視してきたのがより現実的な問題だなと考えられるようになりました。また、こうした施設システムや人がいてくださることで私たちの生活は支えられているのだと改めて考えさせられました。」と話してくれました。

◆10/25(火) 中条浄化センター

中条浄化センターでは職員の南波様、小松様から生活排水(=下水)の処理について学びました。

日常生活で排水された汚水はどのように処理されているのでしょうか?

中条浄化センターでは胎内側の左岸と新発田市の一部から送り込まれてくる汚水を処理しています。
1日に処理している量はなんと25mプール約14~15杯分!!流入してくる汚水は、朝9時と夜9時が最も多くなるとのこと。

中条浄化センターをはじめ日本の多くの施設では「標準活性汚泥法」と呼ばれる処理方法で処理を行っています。これは好気性微生物を利用し処理を行う方法です。

↑まずは「沈砂池」で大きな、「最初沈殿池」で細かい固形物の汚れを沈殿させて取り除きます。
  ↑続いて「エアレーションタンク」で微生物により、約8時間かけて水に溶けている汚れを分解します(微生物はこの汚れを食べて生きています)。酸素を送り込むことで微生物の活動の活性化されます。

↑そして「最終沈殿池」へ。ここではエアレーションタンクから流れ出た微生物を沈降させて回収します。微生物は再度エアレーションタンクに戻されたり、増え過ぎた分は脱水・乾燥させて(これを脱水汚泥と呼びます)、その後焼却処理されて灰として埋め立てられたり、セメントの原料になったりしています。

↑最後は殺菌消毒して、河川へ放流。最初の汚水と色や透明度を見比べみてください。キレイになったことが分かりますね!

 

普段排水している汚水や廃棄物がどのように処理されているのかを学び、環境問題や循環型社会についていっそう自分事として考えるきっかけになったのではないでしょうか。

新発田広域クリーンセンター・エコパークの皆さん、中条浄化センターの皆さん、お忙しい中ご協力くださりありがとうございました!

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