【第59回】日本ミツバチのことなど

学長コラム 2019.6.21

1月18日号で、「リンゴの花とミツバチ」を取り上げ、
<農薬に弱い繊細な生物、人間にとっては便利な農薬が生態系を崩しかねないかもしれない>と述べました。
今回は、ミツバチ、日本ミツバチ (和ばち) の話をします。

 

ミツバチは東北新幹線に乗って
日本橋の勤務先に1群=1万匹の日本ミツバチが到着したのは10年前のことです。
盛岡から東京への長旅に加え、気難し屋なので「環境が合わないと集団家出する」と聞きましたが、
どうやら、杞憂でした。

都心には、皇居、日比谷公園、浜離宮などがあり、
ソメイヨシノ、ユリノキ、ナノハナ、トチ、ミズキ、フジと蜜源が豊富にあります。
三宅坂の社民党本部、銀座の紙パルプ会館でも、屋上飼育がなされていますし、
<都会でミツバチを飼って地域振興に貢献する>との「銀ぱちプロジェクト」の企画も続いています。
地域や小学校とタイアップし、地域の賑い、生態系、環境から恩恵を受ける農産物への認識向上、
情操教育を目指したミツバチの飼育が目的でした。

 

輸入ミツバチの激減
農作物の受粉に不可欠なミツバチ(西洋ミツバチ)は輸入に頼っています。
そして、いま、ミツバチの死滅・激減が内外ともに問題になっています。
原因として、ダニ、病気、農薬汚染が疑われましたが、
養蜂家の方々は「ネオニコチノド」の影響と指摘します。

コメ・稲作では当たり前の農薬ですが、
ミツバチは、1/200の濃度に薄めても決定的な被害が出るといいます。
米国では、ミツバチの激減を「蜂群崩壊症候群」といい、
復活・維持のため、花の植物を含む草地造成や農薬の散布減少努力を続けているようです。
佐渡の「トキ」も同様に、復活後の持続のためには、
「無農薬の水田」の維持という生態系への配慮が不可欠になりました。

 

日本ミツバチの特徴
色は黒くて小さくて、一見すると、ハエのようです。
性格は穏やかで、冬の寒さにも強く、雨の日も風の日も動き回って、
どんなに小さな花からも蜜を集めます。
蜜の味は、時期で異なるのですが、やや濃厚です。
ただし、蜜の量は「西洋バチ」には劣るといわれました。
それでも東京の日本橋に到着してから1か月後には1kg、2か月後には3kgの収穫でした。

 

スズメバチと日本ミツバチの戦い
スズメバチは、英語では、Beeといわず、Hornetです。
ミツバチは、スズメバチと対決するとき、西洋バチは1対1「逐次対戦・逐次敗退」ですが、
和ばちは、群れで包囲して敵を玉状に包み込み、自らの体温を上昇させて敵を殺すと解説されています。
ちなみに、体温の上昇は34度→48度だそうです。

1万匹を超えるミツバチが、半径2kmで1匹当たり3000もの花の受粉を手伝い、
自然循環のスタート地点になります。
この際、ハウス、温室、多くの花のあるNAFUでも、「和ばち」の飼育はどうでしょうか。

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