【第70回】つまみ菜のはなし

学長コラム 2020.2.7

 

みどりのそよ風

1948年1月にNHKが放送した童謡に「みどりのそよ風」があります。
(作詞:清水かつら、作曲:草川信)
まず初めに、その歌詞の一部を紹介しましょう。

「みどりのそよ風 いい日だね 蝶々もひらひら 豆の花
 七色畑に 妹の つまみ菜摘む手が かわいいな・・・
・・・あの子のおうちの花畑 もうじき苺(いちご)も摘めるとさ」

この歌は、ウィキペディアでは「春の光景」とされていますが、
その当時の野菜栽培の状況から考えると
「豆の花」「もうじき苺(露地もの?)も摘める」が登場しますから、
<初夏>といった方が正しいかもしれません。
それにしても、可愛いい、センスのよい歌詞です。

 

つまみ菜

歌詞にある「つまみ菜」ですが、
最近は、大都会のスーパーや青果店にはあまり見かけなくなりました。

野菜の栽培では、成長の歩留まりをよくするため複数の種を播き、
芽が出て10cmぐらいになるまでに、近すぎる苗同士が栄養の取り合いをしないように間引いていきます。
この間引かれた部分が「つまみ菜」です。
冬を除いて1年中収穫できますが、ちょっと面倒で毎日の農作業ですから、
アスパラやオクラと同様に、子どもやお年老りに向いているかもしれません。

また、どんな料理にも合う上に、ビタミンCやβ-カロテンも豊富、栄養満点です。
(カイワレのような「スプラウト」との違いを調べましょう)

 

野沢菜

「つまみ菜」にする野菜の種類は、
ダイコン、コマツナ、ツケナ(漬け物用の菜)、アブラナ科の野菜などいろいろですが、
信州では、冬場の典型的な漬物にする「野沢菜」のつまみ菜もあります。

秋に播いた野沢菜は、成長に連れて間引きをし、つまみ菜にも使います。
自宅のある穂高でも、秋にはご近所から野沢菜のつまみ菜を頂戴します。
そして、近隣のスーパーなどでも、地場野菜の売り場に並びます。
おひたし、味噌汁など、どんな料理にも合いますし、
野沢菜のつまみ菜が出るようになると、「ああ、冬が近づいたんだなあ」と季節を実感するのです。

 

皆さんも試験栽培をして、自分でも体験してみませんか。

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