【第65回】古代米とマコモタケ

学長コラム 2019.11.1

古代米とは

稲作の歴史は古く、はるか昔は色、香りなどが今とは違う稲が栽培されていました。
これが「古代米」です。
稲作改良の歴史は、これを淘汰して今日の形質にしたのですが、
「古代米」は今でも神事などの一環として各地に残っています。

また、海外ではジャポニカ、インディカ、ジャバニカとを問わず、
色素に着目した赤米、黒米、緑米などが広く「ワイルドライス」として売られています。
北米大陸の近縁種「アメリカ・マコモ」(イネ科マコモ属)は、Wild riceの名で利用されます。
胎内キャンパスの池で育った「マコモタケ」はこれです。

マコモの栽培ですが、乾燥に弱い種子なので種子からでは発芽が悪く、
一般的には<親株からの株分け>で行われます。

 

古代米と赤飯

赤飯は、基本的に「ハレの食」です。
今では「もち米」に「小豆」を入れて炊きますが、
かつては、神様に献げるために「赤米」という品種を育てました。
冷えるとボロボロになる野生種に近いものだったようです。

 

赤米、紫米、黒米、緑米、そして香り米

これらの米は、いまでも中国雲南省の高地やチベット高原に残ります。
「コメ食の民族誌」(中公新書)によれば、イネの野生種の25系統が赤米、白米1系統といわれ、
イネにはもともと色や香りがついていて、その色、香りを淘汰してきたのが稲作の歴史です。

イネの系譜から見れば、紫米は、最も優れた品種だといわれます。
紫米は「もち米」ですから、調理の方法も
洗う⇒甑(こしき)に入れる⇒鍋の水を熱して蒸気を当てる、という「蒸飯法」です。

紫米は美しい色、香りですので、白馬山麓の紫米( 北アルプス山麓ブランドの一つ )は
これで日本酒を作ればワインのようになり、
スプーンに1杯を研いだ白米に入れて炊き上げると一味違うタイプの「赤飯」ができます。

 

大桃さんの古代米

新潟市港南区の水田では、NAFUの客員教授である大桃美代子さんが
市内の小学生と無農薬の古代米を栽培しています。「桃米プロジェクト」です。

お米と稲作の歴史を知るうえで、古代米やワイルドライスのことを知るのも大事です。
ただ、古代米は野生種に近いので自然交配しやすく、
また、これまでは排除してきた経緯がありますから、栽培場所やドリフトには十分な配慮が必要です。

 

 

 

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