【番外編⑧】食、農、地域のあれこれ

学長コラム 2020.2.21

ふたたび、水の制御の話、
そして、ロシアがウクライナから自国への編入を強行したクリミアについてのエピソードに触れる。

 

「低水工事」の方法は使えないか

水制御の手法として、
近代の工事の主流は、洪水(高水)を堤防によって「完全に押し込める」ところにあるが、
古くは、あらかじめ溢水、洪水などは織り込んで(溢れさせ)
水防林などで洪水の力を弱める、なだめる方式=低水工事で、
これが明治中期までの主流であった。
(富山和子2010年)

いうなれば、controlするのではなく、manageするということなのか。
岐阜の輪中、渡良瀬の遊水地、各地にみられる舟形防水林などもこれに類する。
しかし、「一定の被害が出ることを前提とする」ものだから
悪平等民主主義日本では、現段階ではまだ難しいかもしれない。

ついでに余談を一つ。
互いに自己主張をして譲らず延々と言い争う「水掛け論」
自分の都合のいいように言ったり、したりする「我田引水」
これらは、いずれも江戸時代の農民たちの水資源争いから生じた言葉で
なんとしても、自分の田にだけは水を入れようとする姿勢から起こったといわれる。
(渡辺尚志)

(続・風に吹かれて 2014年6月号)

 

クリミアの稲作

ロシアが実力で自国の領土に編入した
クリミア、ウクライナ・ロシア紛争は農業にも影響を及ぼしている。
マスコミによれば、ウクライナが農業用水の供給を止めたため稲作ができず、
やむを得ずトウモロコシ栽培に切り替えたが、収入は減るとの報道があった。

うかつにも「ウクライナで稲作」とは初耳であった。
エジプト、イタリア、スペインなどは知られているが、
実は、当地も年間約6万トン(新潟の1/10)、単収は500kg/10a(モミベース)のコメ産地だという。
アメリカ農務省の調査能力はすごい。

(続・風に吹かれて 2014年8月号)

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