副学長メッセージ
“Farm to Table to Farm” 農場から食卓へ、そして農場へ
食物は農場などの生産現場で生産され、加工・流通・販売と多くの人の手を経て食卓に届けられます。生産から食卓へのものの流れにおけるそれぞれの段階は途切れなく繋がれており、フードチェーンと呼ばれます。このフードチェーンをどのように動かすかということが、今重要な課題です。
フードチェーンの駆動力は“ものを作り売ること”です。フードチェーンを加速させるのは、“マーケット(消費者・市場)のニーズ”です。人々が求めているもの、時代が必要としているものを作ってこそ売れるのです。フードチェーンにおいて、ものは生産現場から食卓へと流れます。一方、食卓から生産へと上流に向かう流れもあります。それは消費者が求めるものや、販売・流通・加工に携わる人が求めるものに関する情報です。また、“もの”に関する情報ばかりではなく、人々が求める“価値”も重要な情報です。マーケットのニーズとは、これらのものや価値に関する情報です。一方、食卓や流通の過程から多量の廃棄物が出ます。このままではゴミですが、これらを堆肥化して農場に持ち込めば有機肥料になります。土地を肥沃にすることができる大きな価値を持つ資源です。このように、フードチェーンには、上流へとさかのぼる資源の流れもあります。
フードチェーンの中で途切れなく流れる食品、情報、資源。これらの流れを加速させるマーケットのニーズ。日本の全産業の1割を占める食料産業において、ものや情報がめまぐるしく、絶えることなく動き回っているのです。この大きなフードチェーンを駆動しているのは、人の力や頭脳です。それらの集積によってものや情報が動いているのです。
私たちはフレッシュな皆さんと共に世界を牽引する新しい食料産業をこの新潟の地から起こすことを真剣に考えています。日本の原風景ともいえる美しい山・川・海に囲まれたキャンパスで、環境にやさしい安心・安全な作物の生産、健康的で美味しい食品の加工・製造、食べることの楽しさに繋がるビジネスを幅広く学び、論理的・創造的な科学思考を身につけて、世の中にない新しい“もの”や“こと”を創り出してみませんか。
新潟食料農業大学
副学長 中井 裕
略歴
1977年3月 | 東北大学農学部卒 |
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1982年3月 | 博士課程修了、農学博士。 茨城大学農学部助手 |
1984年2月 ~ 1986年2月 |
米国ジョージタウン大学 医歯学部博士研究員(出張) |
1988年1月 | 茨城大学助教授 |
1990年4月 ~ 1991年10月 |
東京農工大学助教授(併任) |
1991年10月 | 東北大学助教授 |
2002年4月 | 東北大大学院農学研究科教授 |
2004年4月 | 日本畜産環境学会理事長 |
2006年4月 ~ 2009年3月 |
中華人民共和国河南農業大学客員教授(併任) |
2007年4月 ~ 2010年3月 |
附属複合生態フィールド教育研究センター長 |
2010年4月 ~ 2013年3月 |
副研究科長、附属先端農学研究センター長 |
2013年4月 ~ 2015年3月 |
附属複合生態フィールド教育研究センター長 |
2014年4月 ~ 2018年3月 |
東北復興農学センター副センター長、総長特別補佐(震災復興推進担当) |
2018年4月 | 東北大学名誉教授 |
おもな著書
『菜の花サイエンス -津波塩害農地の復興-』編著(東北大学出版会、2014年)
『コンポスト科学 -環境の時代の研究最前線-』編著(東北大学出版会、2015年)
『最新畜産ハンドブック』編著(講談社、2014年)
『寄生性原虫コクシジア』編著(東北大学出版会、2005年)
『微生物を活用した堆肥化大全』監修著(肉牛新報社、2004年)など
おもな業績
原著論文 148件
国際学会 115件
総説・解説・連載 115件
新聞・TV・ラジオ84件
特許 10件
おもな受賞
日本農学賞(2015年4月)
読売農学賞(2015年4月)
東北大学総長教育賞(2015年3月)
農水省フード・アクション・ニッポン・アワード(2014年11月)
環境省浄化槽関係事業功労者(2013年10月)
第9回世界畜産会議 最優秀発表賞(2003年10月)
2003年度バングラデシュ獣医学会講演賞(2004年1月)
2000年度日本畜産学会賞(2000年3月)