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2021年度第3回アグロフードセミナー「食の循環から考えるサステナブルな社会Ⅱ」

本学では、食料産業の発展方向を探り、情報を発信するために企業や研究機関等と連携し、アグロフードセミナーを実施しています。

3月4日(金)今年度第3回の「アグロフードセミナー」を実施しました。

 

今回は、前回に引き続き「食の循環から考えるサステナブルな社会Ⅱ」をテーマに、3つの事業者様にご講演いただき開催しました。

(左から)

株式会社ウオロク 総務部次長 飯ケ浜 浩二 様

中村農研 中村 寛美 様

株式会社柏崎エコクリエイティブ 代表取締役社長 仁木 賢 様

株式会社ウオロク 取締役経営企画部長 佐藤 嘉貴 様

新潟食料農業大学 社会連携推進室長 食料産業学部 教授 武本 俊彦

 

【第1部】講演 株式会社ウオロク 取締役経営企画部長 佐藤 嘉貴

                   総務部次長 飯ケ浜 浩二 様

「食品循環資源リサイクルループの推進」

第1部では、株式会社ウオロク取締役経営企画部長 佐藤嘉貴様からリサイクルループを推進するに至った経緯をお話しいただき、その後、総務部次長 飯ケ浜浩二様から食品リサイクルの取り組みを説明いただきました。

その中の取り組みの一つ「エコろく」は、「ウオロク」と「エコ」を掛けた食のリサイクルループ活動です。ウオロクで発生する魚のあらなどの食品残渣を登録再生利用事業者で有機肥料として製造し、農業法人で利用してもらい作物を生産。それをウオロクの店舗で販売するという食品資源の循環事業を分かりやすく説明いただきました。食のリサイクルはCO2の削減に貢献するなど、社会に大いに意義あることですが、食品残渣の処理費用が高く参画しにくいなど多くの課題もあるとのこと。社会で食のリサイクルループが浸透し推進され、私たちの生活がより良いものになるにはどうしたらよいか、考えさせられる講演でした。

 

【第2部】講演 株式会社柏崎エコクリエイティブ 代表取締役社長 仁木 賢 様

        中村農研 中村 寛美 様

「食品循環資源リサイクルループの推進」

第2部では、ウオロク様と連携してリサイクルループに取り組んでいる株式会社柏崎エコクリエイティブ 代表取締役社長 仁木賢様と、中村農研 中村寛美様に、それぞれのお立場でのリサイクルループ推進の経緯や実態をお話しいただきました。

仁木様の柏崎エコクリエイティブは登録再生利用事業者として農林水産省に認定を受け、ウオロク様のほか、各地のスーパーと提携し魚のあらの収集運搬を実施。それを原料に有機肥料を製造し、中村農研様をはじめとした地元農家や農業法人へ販売しています。その背景には、世界の耕地の1/3が農薬や化学肥料を用いる慣行栽培により劣化が進んでいる状況があり、対策として有機肥料栽培を推進し、土地に優しく安定した農業環境を拡げたいと思いを語ってくださいました。

今後の展望として、自社のノウハウを他事業所へ売り込み、リサイクルループの輪を広げる取り組みを進めています。古来より農家の根幹である「土づくり」について改めて考えさせられる、示唆に富んだ講演でした。

 

最後に本学社会連携推進室長 武本俊彦教授がファシリテーターを務め、参加者からいただいた質問に回答しながら、これからの農業のあり方や食の循環について、それぞれのお立場の視点で議論がなされました。

 

今回のセミナーは、新型コロナウイルス感染防止のため、オンラインでの開催でしたが、活発な質疑応答が交わされました。ご講演いただいたみなさま、ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

次回のアグロフードセミナーもご期待ください。

 

過去のアグロフードセミナーはこちら

 


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