【第57回】英語こぼれ話―その4 英語になった「食」の日本語

学長コラム 2019.5.24

日本語がそのまま英語に
和食・和食文化の浸透に伴って、「食」に関する用語も国際化・定着しつつあります。
筑波大学の名誉教授・藤原保明さんが、オックスフォード英語辞典(OED)で
<日本語がそのまま英語になった歴史・事例>を取り上げていますが、
そこから、食に関するものをピックアップしましょう。

初めの頃は素材・製品で、いまは食事・料理・調理へと変化しているようです。
16001700年代には、鯛tai、酒sake、醤油soy、鯉koi
1800年代では、刺身sashimi、豆腐tofu、漬け物tsuke-monoが、
1900年代も後半に入ると、しゃぶしゃぶshabushabu、溜まり(醤油)tamari、味醂mirin
味噌miso、ラーメンramen、弁当bento、懐石kaiseki、たたきtataki、トロtoroが、
ごく最近では、旨味umami、和牛wagyuが、「英語になった日本語」として登載されています。
とくに「旨味umamiが取り上げられたことは、「和食文化」の浸透でしょう。

 

寿司とワサビが先陣で
海外進出、国際化、普遍化を続ける和食・日本食ですが、
近ごろでは海外での日本食レストランの大幅増加も目立ちます。
観光立国宣言(2006年)の2.4万店から、2015年の8.9万店、2017年の11.8万店と急速に成長、
これに伴い、料理そのものにとどまらず、調理のベース=出汁(ダシ)にまで影響が及びました。
5番目の食味とされ、出汁ダシ)に由来する「旨味」(U-ma-mi)は、
海外のシェフから高い評価を得て、フレンチにも使用されます。
シェフたちは、ことごとく「これからは<U-ma-mi>がカギ」と語るのです。

 

つぎは日本酒の出番か
日―EUの経済連携協定の発効により、アルコール飲料の関税は輸出入とも「ゼロ」になり、
日本酒がヨーロッパに進出する絶好の機会が訪れました。
「百年企業100選」(東方通信社刊)には、「真野鶴」で有名な佐渡「尾畑酒造」を取り上げ、
すでに10ヶ国以上に出荷され、また、
同社の大吟醸はエールフランスの機内酒として提供されていると紹介しています。

 

これからは自ら英語でプレゼンを!
農水省の「食料農業農村審議会」に出席した新潟・加茂市の有機稲作経営者
「(株)ライスグロワーズ」の横田飛鳥さんは、
「自分たちの育てた生産物をユーザーに正しく理解してもらうためには、語学能力は必須だ」と述べました、
ここまで行ってフードチェーンが繋がるのです。

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