【番外編⑤】食、農、地域のあれこれ

学長コラム 2019.7.26

前号に引き続き、水の制御手法としての「コンクリート・マットレス」と
ちょっと閑話休題で「モグラとゴキブリ」の話をしてみます。

 

7 コンクリート・マットレス

北海道大学の前身である「札幌農学校」の岡崎文吉が1902年に発明した護岸技術、
この改良型は、いまでもアメリカのミシシッピ川で現地生産され、利用されている。
その基本は「いかなる大河でも水は蛇行する。従って、
水流の当たる箇所のみの崩壊を防ぐマット(=長方形のコンクリートを針金で繋いでスダレ状にしたもの)
を垂らすのが有効な対応策である」というところにある。

これによって崩壊を防ぎ、同時に水深(=水路)も確保できる。
自然・水に逆らわず、共生こそが大事だというのである。
この考え方を英語に映すと、支配する“Control”ではなく
上手に折り合いをつける“Manage”に当たるのかもしれない。

(風に吹かれて 2013年3月号)

 

8 モグラとゴキブリ

・モグラ
わが国は、長らく「アズマモグラ」の天下であった。
太平洋戦争後のこと、南洋種の「コウベモグラ」が九州に上陸して東征、瞬く間に勢力を伸ばした。
富士川の線まで進出して東西の均衡がしばしの間は保たれていた。
その理由は、コウベモグラは高冷地、溶岩地には比較的弱いのだと説明されていたのだが
なんと、富士山を北側から迂回して関東地方に達したようである。
ちなみに、コウベモグラとはいってもたまたま発見地が「神戸」だっただけで、もともとは南洋種なのである。

・ゴキブリ
これも種類は多い。象徴的なのは、「クロゴキブリ」と「チャバネゴキブリ」である。
比較的寒さに弱いチャバネゴキブリだったが、耐寒性能のよい家屋の普及、道路、鉄道、橋、トンネルの発達で
自動車、列車に便乗して東進したと考えられている。

(風に吹かれて 2013年1月号)

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