N-mag

【授業紹介】「食」の役割を考える<食嗜好科学>

今回は 3年生フードコースの授業 「食嗜好科学」 をご紹介します!

 

この授業では、「食品成分がおいしさや嗜好性の強さにどう影響するのか」を学ぶことができます。

動物(ヒト)が食品に感じる「味・匂い・見た目・食感・嚙んだ時の音」は食品が持つ二次機能というもので、美味しさや好き嫌いに大きく影響します。評価が難しい感覚的な要素を、分かりやすい実験を交えながら科学し、食品の役割について考察していきます!

フードコースの授業ではありますが、今年はフードコースの学生61名とアグリコースの学生が14名履修、ビジネスコースの学生も2名聴講しています。このように、他コースの授業であっても学ぶ機会があるのが本学の特徴!食品会社など専門現場で活躍されていた先生のお話を聞くチャンスも広がります!多くの学生がコースの枠を超え、食のジェネラリストを目指し、広く多面的な学びに意欲的に取り組んでいます!

  授業をご担当されている横向慶子先生は、今回の授業のために酸味を甘味に変える成分「ミラクリン」を含む「ミラクルフルーツ」と「レモン」を用意し、学生たちが実食をしました。ミラクルフルーツをなめ、レモンの順に食べると、酸味はほとんど感じられず、甘く感じるという結果に!普段と異なるレモンの味わいに学生はとても衝撃を受けていました!

◀レモンとミラクルフルーツ

 

 

また、アグリコースの佐藤豊三先生から特別に、大学の畑で栽培された薬用植物の「カンゾウ(甘草)」もご用意いただきました!甘草は甘味料(グリチルリチン)としてよく使われていますが、なんと砂糖の150倍もの甘さなんです!学生たちはその根茎をひとなめしただけで、とても強い甘味を実感!こういった材料を活用することで、食品開発においてコストと味と健康を両立できるヒントを学んでいました。

コースを横断したこのような学びのスタイルは、まさに本学ならではですね!

▲カンゾウの根茎(左図)とカンゾウ(右図)

 

最後に、食品の見た目と香りが味に大きく影響を与えることを知る実験も行いました。目を閉じて種類を見ずに鼻をつまんだままフルーツキャンディーをなめてみると、酸味と甘味しか感じない。香りがないと特色がなく「なんの味かよくわからない」という学生が続出!唾液を飲み込む瞬間、鼻から指を離すと、あ、リンゴだ、みかんだ、と分かるわけです。正解は個包装の表示で確かめます。いかにパッケージや色や香りなど、味覚以外の感覚に食品の味が大きく影響しているかがよくわかる実験でした!

 

 授業ではほかに、動物の感覚器官の構造や、国や文化の違いによって変化する嗜好性の違い、好きな音楽が流れているときの美味しさの感じ方など、幅広い切り口で食の美味しさについて考えます。

文系・理系を問わず、広い視野で食について学ぶことができる、本学の特色が色濃い授業ですね!

 

【関連リンク】

◆2020年の食嗜好科学の記事はこちら!

>>>https://nafu.ac.jp/magazine/15797/

 

◆カンゾウ(甘草)など、薬用植物を研究しているアグリコース在学生のレポート動画はこちら!

>>>https://www.youtube.com/watch?v=B3bsqlQmu1o


関連記事