6次産業化クラブ圃場

病名:ビーツ褐斑病
宿主名:ビーツ【学名:Beta vulgaris L.
病原菌名Cercospora beticola 
発生場所: 六次産業化クラブ圃場
発生時期: 7月上旬
病徴:葉に、丸くはっきりした病斑を形成する。病斑の周辺は赤紫色になり、ふちが褐色、内部が白色になる。発病が激しくなると葉が枯死し、落葉する。
形態:病斑上に子座、分生子柄、分生子を形成する。分生子は無色、糸状で多くの隔壁をもつ。
まめちしき:ビーツは根や葉が鮮やかな赤紫色をしていることが特徴的な作物です。病斑の周辺も同じ赤紫色になる(図1)ので、ビーツの葉を見たことがなかった筆者は葉の模様だと思ってしまい、見逃すところでした。しかしよく観察すると、病斑の内部がスカスカになっていることに気づきました。Cercospora属菌は赤色のセルコスポリンという毒素を生成します(引用1)。セルコスポリンには植物体の細胞膜を破壊する作用があり、これによって病斑の中央部の組織が壊死し、透けて見えます(図2)。
Cercospora beticolaは、テンサイ(ビート)褐斑病の病原菌としてよく知られています。ビーツとテンサイは種としては同じ作物です。テンサイは国内では主に北海道で栽培されており、砂糖の原料として有名な作物です。褐斑病による葉の枯死が減収や根の糖分の低下をもたらすことが知られており、重要病害とされます(引用2)。
本学のビーツでは褐斑病が多発していました。薬剤散布をしない場合は抵抗性品種を用いなければ防除が難しいようなので、仕方ないかもしれません。
分生子などの写真を撮影でき次第更新します。
引用文献
Margaret E. Daub(1981)Cercosporin, a Photosensitizing Toxin from Cercospora species. Phytopathology 72:370-374.
2)Moustafa Ibrahem Mohamed Gouda,Abd-Allah Ahmed Aly El-Naggar,Mohamed Abdallah Yassin(2022)Effect of Cercospora Leaf Spot Disease on Sugar Beet Yield. American Journal of Agriculture and Forestry 10(4):138-143.


(図1)圃場で観察した罹病葉


(図2)病斑