自主栽培圃場

病名:ナス褐紋病
宿主名:ナス【学名:Solanum melongena L.
病原菌名 Phomopsis vexans
発生場所:自主栽培圃場
発生時期:7月中旬~8月中旬
病徴:葉や果実に輪紋状の病斑を形成する。葉の病斑はふちが暗褐色で内部が褐色。病斑上に黒い分生子殻を形成する。
形態:分生子殻の内部に楕円形のα胞子と湾曲した糸状のβ胞子を形成する。いずれも無色。α胞子には油滴が見られ、大きさは長径4―5 µm、短径2―3 µm。
まめちしきPhomopsis属菌はなんと二種類の胞子を形成します。本学のナス褐紋病ではα胞子のみ確認されました(図4)。α胞子は発芽し伝染源としての役割を担っていますが、Phomopsis vexansのβ胞子はほぼ発芽しないといわれており、(引用1)、正確な役割は分かっていません。
名前の通り、果実に少しへこんだような褐色の病斑を多数形成します。病斑が拡大すると、とても食べたいとは思えない痛々しい見た目になります。しかし、培地上では白くふわふわした菌糸を形成します。このように培養してみると宿主上でのイメージと違った、ということは少なくありません。病害を見つけたらとりあえず培養に挑戦してみると新たな発見があることが多いのでオススメです。
自主栽培圃場では、有志の学生が毎年別の作物を栽培・管理しています。ナスは人気でよく栽培されていますが、褐紋病が頻繫に発生しています。現時点では大きな被害は確認されていませんが、圃場に放置された罹病部が翌年の伝染源になっている可能性が高く、今後のために連作を避けた方が良いでしょう。
引用文献
1)Jameel Akhtar,Abdul Khalid and Bijendra Kumar(2009)Effect of carbon sources, substrates, leachates, and water grades on germinability of Phomopsis vexans. African Journal of Agricultural Research.3(8):549-553.


(図1)圃場で観察した罹病葉


(図2)病斑上に形成された分生子殻


(図3)分生子殻


(図4)α胞子