病名:キュウリうどんこ病
宿主名:キュウリ【学名:Cucumis sativus L.】
病原菌名:Podosphaera xanthii
発生場所:2・3年生実習圃場
発生時期:6月下旬~7月中旬
病徴:葉に白い粉のような菌叢を形成する。
形態:菌糸から直立した分生子柄の先に分生子を鎖生する。分生子は楕円形~円筒形で無色。分生子の大きさは長径28―34 µm、短径17―22 µm。
まめちしき:うどんこ病は、肉眼で診断しやすい病害です。作物が栽培されていない時期でも、雑草によく感染しています。学内では圃場外のセイタカアワダチソウやヨモギなどで確認しています。
うどんこ病菌の同定において、分生子内に存在するフィブロシン体と呼ばれる構造の有無が重要な基準になります。日本植物病名データベースによると、キュウリうどんこ病の病原菌として3属が報告されており、そのうちPodosphaera xanthiiのみがフィブロシン体をもちます(図3)。
また、学内では閉子のう殻が確認されていません。閉子のう殻を見つけた方がいたらご連絡ください!
病名:葉枯病
宿主名:ネギ【学名:Allium fistulosum L.】
病原菌名: Stemphylium sp.
発生場所: 2・3年生圃場
発生時期: 6月~
病徴: 葉に紡錘形で淡褐色の病斑を形成し、すす状に分生子を多数形成する。
形態:分生子は褐色、縦横に隔壁を有し、横の隔壁でくびれる。大きさは長径29.5―48 µm、短径11.5―20 µm。
まめちしき: Stemphylium sp. は普段は腐生的に生活していますが、植物に寄生することもあります。このような菌は条件的寄生菌と呼ばれています。私はこれまで腐生生活を送る Stemphylium sp. の分生子は何度か見たことがありましたが、ネギ葉枯病のおかげで病原菌としての側面を知ることができました。
似たような病徴を示すネギの病気に、Alternaria porri が引き起こす黒斑病があります。Alternaria属菌も条件的寄生菌であり、併発することがあります。そのため、目視で病原を見分けるのは困難です。
本学では3つのネギの罹病部を採集しました。そのうち2つの病斑上(図1)からは Stemphylium sp. のみが観察されたため、これらを葉枯病として診断・記載しました。しかし、残りの1つからは Alternaria sp. と Stemphylium sp. の分生子がどちらも検出されました。このような状態の場合、生理障害などによって枯れた部分に腐生的に感染した可能性もあります。実際に枯れ症状を引き起こしているのが何なのかを特定するのは難しいです。