食農大の日常
【授業紹介】水産資源について学ぶ<生物資源循環論>
本学では様々な授業で外部講師の方に特別講義をしていただき、現場の声を学ぶことができます。
今回は2年生必修授業の「生物資源循環論」にて行われた特別講義の様子をご紹介します!
7月16日(金)、新潟県水産海洋研究所所長 河村智志様より水産資源についてお話いただきました!
特別講義では、日本の水産資源や持続的な漁獲のために行っている取り組みについて、事例を交えながら教えていただきました!
まずは水産資源を考える上で非常に重要なポイントとなるMSY (Maximum Sustainable Yield、最大維持可能漁獲量)について学びました。
MSYとは生物資源を減らすことなく得られる最大限の収穫のことで、環境との関係が非常に大事になっています。
MSYや水産庁によるデータで日本の水産資源評価について学んだ後、スルメイカやシロザケなど近年の漁獲量が減少している魚種について教えていただきました。一方で、サワラなど漁獲量が増加している魚種もあるそうです。
これらの漁獲量の変化は、地球温暖化などの長期的な気候変動が原因ではないかとされています。
下の写真は、新潟でなじみ深い“南蛮えび”(標準和名ホッコクアカエビ)の分布・回遊のスライドで、ホッコクアカエビは日本海が生息の南限域で、オスからメスに性転換することなども教えていただきました。
そして、水産資源の特徴(再生産、不確実性、無主物)を学び、適切な漁獲のために行っているインプットコントロール、アウトプットコントロール、テクニカルコントロールについてお話いただきました。
それぞれの規制にメリット、デメリットがあり、これらの規制を横断的に行う工夫が必要であると学びました。
講義の最後に、ズワイガニを例に資源管理についてみんなで考え、河村先生から資源管理の答えはみんなで考えて出していくものだということを学習しました。
講義を受けた学生からは「それぞれの生態によって資源管理の方法が変わることや、資源量の予測の難しさを学び、それぞれの地域によっても水産資源の管理は変わるのだと思った。」、「海の環境を守りながら継続的な漁獲を維持するのは難しい。」、「普段は農業や食品について学んでいるが、水産にはあまり触れる機会がないのでとても楽しかった。」などの声が聞かれました。
新潟県水産海洋研究所所長 河村智志様、お忙しい中、大変ありがとうございました。
新潟県水産海洋研究所HP:https://www.pref.niigata.lg.jp/site/suisan-kenkyu/