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【授業紹介】6次産業化のスキームと4Pアイデア<マーケティング論>

2年次後期開講の「マーケティング論」では、食の6次産業化プロデューサーの学習内容認定基準レベル2取得のため、演習として「6次産業化のスキームと4Pアイデア」という課題発表に取り組んでいます。

 

1月11日の発表会にて、6次産業化アイデア発表の受講者57名により優秀作投票を行いました。

票は1人3作までとし、投票を行い、ベスト5作が選ばれました。

選ばれたベスト5作で168の票総数のうち計64%の票を集め、圧倒的な結果となりました。

14%の23票をCチーム:「甘酒蛇口の設置計画」Jチーム:「新潟の規格外野菜と米粉を使った『こめこベジパスタ』」の2作が占め、12%の20票をGチーム:「へきそばを使用したカップ麺」Lチーム:「豆腐バーガー」Mチーム:「新潟県の特産品を利用したコラボジエラートの提案」の3作が占めるという結果となり、学生達は授業で学んだ内容を活かした発表をしてくれました。

優秀作に選ばれたグループのリーダーに感想をうかがいました。

Jチーム:
「こめこベジパスタ」は、メンバーの実家で大量廃棄処分となったほうれん草をどうにかしたい、という思いから生まれたアイデアです。
今回はマーケティング論を通して、どうにかしたいという漠然とした思いを、食品ロス解決の糸口になるようなアイデアとして形にできて良かったと思います。

苦労した点は、既に市場に出回っている他の類似品との差別化を図ることです。
ただの野菜ではなく新潟県内での廃棄野菜を使い、胎内市産の米粉を使うことで、類似品との違いをつけられたと思います。また、良いマーケティングを考えるのは難しい、と今までの講義を受けて感じていましたが、実際に自分達で体験してみると更に難しさを体感しました。
こんな商品があったら便利だな、と、思いつくのは簡単ですが、六次産業化・4Pを踏まえて形にするのは難しく、苦労しました。
また、マーケティングの観点から商品を考えることを学びました。
日常的に食べているパスタに着目し組合わせ、どうしたら需要が生まれるのか、商品価値は何なのか、ロゴやパッケージ、販売場所・売り方など考えることは沢山ありました。消費者ではなく生産者の観点から商品について学ぶことができたと思います。


短い期間、少ない人数での話し合いの中で、商品のアイデアを出し、練り、深めていく過程を経験できてとても楽しかったです。1つの意見からここまで広がった商品イメージを見返すと、大きな達成感があり、完成してよかったと心から思います。
見やすいパワーポイントについて考えたり(本当に見やすいかは別として…)、アイデアの凡例を見るなかで類似品についての知見を得られたり等々、と短期間で自主的に行動・良い経験ができました。

 

Mチーム:
近年、店舗の増加に伴い露出が増えてきている「ジェラート」に着目し、ジェラートが特に農業企業で相次いで開発、販売が進められていることから、「新潟県でも特産品を活用して作ることができないか」と考えました。その結果、今回のアイデア発表では「コラボジェラート」の提案をしました。

「コラボジェラート」とは、新潟県で特産品として扱われている「牛乳」と「フルーツ」を合わせたジェラートを作ることを想定したものです。
 プランを考える上で苦労したことは、「どうすれば他の競合他社のジェラートと差別化しつつ、実現可能性の高いジェラートを開発できるのか」という点でした。

例えば、単に良質な原材料を使ったジェラートであれば、市場にたくさん出回ってますし、デザインを良くするだけでは、現在の市場で知名度を向上させて売上げを伸ばすことは難しいと考えられます。

なので、私たちは単独で行うジェラート開発ではなく、新潟県で特産品を生産している複数の農業企業との協働で行うジェラート開発を考案しました。
この「普段は競合他社である農業企業同士が、連携して一つのものを生産する」というアイデアにより、知名度の高い特別なジェラートが生み出されるのではないか。また、同時に原材料である新潟県の特産品の牛乳やフルーツの売上げを伸ばすこともできるのではないかと考えたからです。

最後に、発表を終えての感想としましては、この案で思ったよりも票を勝ち取れなかったことは残念だなと感じております。おそらく、他の作品と比べると、「アイデア自体の面白み」が欠けていたのではないか、その為、万人受けはしなかったのではないのかと感じております。

ただ今回、授業の一環として商品のアイデアを考案したことで、改めて6次産業化の意味を知ることができました。加えて、酪農や果物栽培を営んでいる農業企業が6次産業化としてジェラート開発を進めていることを知ることもできました。

今後は、これらの経験を活かしてアイデアを考案する際には、「万人受けするような面白さ」というのを取り入れていこうと考えております。また、より多くの農業企業を調べて、「どのような6次産業化をしているのか」ということも学んでいく必要があるのかなと感じました。

 

Cチーム:
「甘酒蛇口の設置計画」。1位に選んでいただきありがとうございます。それぞれが案を出し、その提案を聞いて他の人が発展させ、発展させた意見をまた違う人が具体化してメンバー皆で作り上げたプランなので嬉しいです。 

新潟の米どころという点を上手く活かしたプランになったと思います。改めて新潟の農家や酒蔵の現状を調べるきっかけになって良かったです。また、プランを考える際にプロモーションでSNSを使おうと話していましたが、他の宣伝方法を探すことに苦労しました。 

 

Lチーム:
私たちの「豆腐バーガー」のプランを考える上で大変だったのは「実際に店舗を開く場合にかかる費用を考える」という所で、6次産業化の流れは理解していたのですが、そこに至るまでにかかる費用として商品の原材料、店舗の家賃、広告宣伝費などを勘定しプランを組み立てていくことが大変苦労しました。また、今回はプランだけだったので実際に店舗を開く想定で煮詰めていくともっと粗が出てくると思うので次に今回のような機会があれば反省と参考にしていきたいと思います。


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