N-mag

北限の日本茶【村上茶 】を体験!

6/9(金)、北限の日本茶である村上茶の冨士美園を本学学生が見学しました。
当日は、フードコースの横向慶子教授の引率で希望者10名が、村上市の冨士美園 代表取締役 飯島 剛志様のご案内で実証茶園の見学・製茶工場の見学、お茶の淹れ方講座に参加しました!

まず初めに実証茶園にて、現在栽培しているお茶の品種やその生育の特徴について説明を聞きました。

こちらの茶園では、耐寒性が高い8品種を試験的に栽培(こまかげ・やぶきた・あさのか・ふくみどり・ほくめい・むさしかおり・さやまかおり)。雪に耐えられるのか、寒さに耐えられるのかなどを実証するとともに、新品種の実証も行っているそうです。
実際、品種により葉の形・大きさ・色が異なっていました。

お茶は受粉で増やすと遺伝子が変わってしまうそうで同じ品種同士では種をつけないとのこと。挿し木をして品種を増やし、植えてから、4年程度は添え木をし、7~8年程度で収穫ができるようになるそうです。
お茶は1年間に4回の収穫があり、5月初旬に収穫するものを”新茶”と呼び、冬に蓄えられたうま味が最も多く入っており、高値で流通することができるとのこと。
新茶の収穫から、約1ヶ月半おきに2番茶、3番茶、4番茶と収穫をしていくことも教わりました。
村上の土地ならではの生育の特徴を学生達は説明を聞きながら、今年は1人1人がビニール袋を受け取り、茶摘み体験を行いました。生のお茶の葉は素揚げにしたり、湯掻いてお浸しにすると美味しいと教えていただき、摘んだお茶の葉を持ち帰らせていただきました。

【おひたし】

≪おひたしにしてみた学生の感想≫
家に帰って早速おひたしにして頂きました。驚いた点は、まず、生のお茶の葉は傷むのが早いということです。普段目にするお茶の葉は、乾燥しているので気にしていませんでしたが、葉物の野菜と同じように切り口から傷んでしまうことに驚きました。また、おひたしにして食べてみて、からし菜に少し似ているなと感じました。そして噛めば噛むほどお茶の葉の味わいが口に広がって美味しかったです。

 

【素揚げ】

 

次に製茶の工場見学を行いました。

摘んだ葉がどのようにして製品となるのか教えていただきました。
緑茶とウーロン茶、紅茶では、茶葉の加工の方法が異なり、それにより使う機械の種類などが異なります。
機械を間近でじっくりと見せていただき、機械の仕組みなど詳しく知ることができました。

そして最後に冨士美園の店舗にて、飯島様より村上茶の歴史とお茶の淹れ方を教えていただきました!

村上茶の歴史は古く、栽培の歴史は江戸時代初期(1620年代)までさかのぼるとのこと。村上藩主が宇治伊勢の茶の実を買い入れ、主要地場産業にしようとしたのがその始まりといわれ、約400年の歴史があるそうです。※所説あるとのこと。
室町時代~江戸時代初期、お茶は武士や権力のある人が楽しむもので、この頃のお茶はお抹茶(葉茶を、臼でひいて粉末にしたもの)でした。今のように煎茶を庶民が飲むようになったのは江戸時代以降とのことです。
その後、村上の先達の努力により栽培・製茶とも改良が続けられ、茶畑の面積は明治時代には650haにもなっていたとのこと。当時は国内だけではなくアメリカへも輸出をされていたそうです。

歴史のお話の後はお茶のおいしい入れ方を体験しました!

同じ茶葉でもお湯の温度によって味が異なると教えていただき、実際に異なる淹れ方で淹れたお茶を試飲しました。
煎茶はお湯の温度は70~80℃くらいがうま味と渋味のバランスがよく出るそうで、お湯を70~80℃の適温にする工夫も教わりました。お湯の温度が高くなると苦味や渋みが多くなるとのことです。お湯を直接急須に入れるのではなく、湯冷ましに入れてから、お茶碗に移し、陶器に入れる度に10℃ずつ下がるので、お湯の温度を70℃~80℃に調整。そのお湯を急須に入れます。急須からお茶碗に淹れる際は、手首を上下に動かしながら淹れると中の茶葉がしっかりと開き、うまみが出やすいとのこと。70℃~80℃に調整して淹れたものと、ポットの90℃のお湯を直接急須に入れたものを飲み比べてみました。
学生たちからは、70~80℃で淹れたお茶は「とってもまろやか!」「うまみがあり飲みやすい」などの声が上がっていました。

学生からも様々な質問があり、「水出しの緑茶があるが、成分の違いはありますか?」や「ティーパックと急須で淹れたお茶も違いが出ますか?」などの質問に丁寧に答えていただきました。今回参加した学生の中には台湾やインドネシアからの留学生もおり、同じお茶でも飲み方が異なったり、加工方法が異なったりと新しい発見もありました。学生達の真剣な様子が印象的でした。


【参加した学生の感想を一部ご紹介!】
■お茶の入れ方、急須の形状の違いでまた味が変わると思うと、今までペットボトルなどで「お茶美味しい〜」とだけ浅く考えていたお茶の考えが、一気に深くなりました。食を楽しむための勉強をしている最中ですが、お茶は変幻自在で、自由で繊細なものだと感じ感動しました。

■生のお茶の葉を近くで見たり触ったりするは初めてで、つやつやとした見た目と想像していたよりも柔らかい葉の感触にお茶摘み体験中は終始心を弾ませていました。農業生産における問題として挙げられる肥料の与え方や防虫・除草についてもお聞きすることができ、時代や変化に対応し工夫を続けていることに関心を持ちました。農業と環境の関わり方は今後も注目されるトピックで、堆肥の活用や土壌診断といった取り組みの現状を知ることができ勉強になりました。

多くの発見がある体験で、とても学びの多い時間を過ごすことができました!

飯島様、お忙しい中大変ありがとうございました!


関連記事