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本学の渡邉剛志教授らの論文が、米国生化学・分子生物学会が発行する国際誌に掲載されました。

  本学の渡邉剛志教授らの論文が、米国生化学・分子生物学会が発行する国際誌Journal of Biological Chemistry(1)と、国際誌Journal of Agricultural and Food Chemistry (2)に掲載されました。

 

(1)Single-channel characterization of the chitooligosaccharide transporter chitoporin (SmChiP) from the opportunistic pathogen Serratia marcescens.

     Soysa HSM, Kumsaoad S, Amornloetwattana R, Watanabe T, Suginta W.

     J Biol Chem. 2022 Oct;298(10):102487.

(2)Plant Chitinase Mutants as the Catalysts for Chitooligosaccharide Synthesis Using the Sugar Oxazoline Derivatives.

     Umemoto N, Saito N, Noguchi M, Shoda SI, Ohnuma T, Watanabe T, Sakuda S, Fukamizo T.

     J Agric Food Chem. 2022 Oct 12;70(40):12897-12906.

 

  キチンは、麹菌や酵母・キノコなどの真菌類の細胞壁、昆虫の外皮、貝類や甲殻類の殻をはじめ多種多様な生物に構造多糖として存在する重要なバイオマス多糖です。キチンやその誘導体は、食品、化粧品、農業、医療などの分野で利用されていますが、最近優れた機能性・生理作用を示すキチンオリゴ糖が注目されています。しかし、強固なキチンから特定の鎖長のキチンオリゴ糖を効率的に作ることは非常に困難であるため、その基礎となるキチンの生物分解メカニズムの解明や、キチンオリゴ糖の酵素合成法の開発が強く望まれています。

(1)は、タイ国Suranaree University of TechnologyのSuginta 教授らとの国際共同研究に基づく共著論文です。特定の長さ以上のキチンオリゴ糖を認識し取り込む、キチン分解細菌の表面に存在するタンパク質の性質と機能を解明したものです。

(2)は、近畿大学、東北大学、東京大学のグループとの共同研究に基づく共著論文です。植物と細菌のキチン分解酵素の変異体を触媒として用いて、短鎖のキチンオリゴ糖から、より優れた機能性を示す長鎖キチンオリゴ糖を合成できることを示したものです。