クラブ活動
小田島湧希君が全日本大学自転車競技大会(インカレ)にて6位入賞!
2020年10月10日に松本市美鈴湖自転車競技場にて行われた全日本大学自転車競技大会(インカレ)のケイリン競技にて小田島湧希君(こだしまゆうき:食料産業学部1年、大迫高校出身)が6位入賞を果たしました!
ケイリンは日本の「競輪」にルーツを持つオリンピック種目です。最大7人の選手が1500mを走り順位を競います(今回は6人)。スタートから750mはペーサーとよばれる電動アシスト自転車に乗った先頭誘導員が風よけとして先頭を走ります。スタート位置はくじ引きで決め、1周はその並び順を崩すことはできません。その後は選手たちは自分の脚質やライバルの力などを考えて位置取りや駆け引きを行います。ゴールの着順が順位です。
小田島君は1回戦では4位となり、敗者復活戦に回りましたが、そこで1位になり、1/2決勝(準決勝)に進みました。1/2決勝は、中央大学、明治大学、日本大学、早稲田大学、八戸学院大学の強豪選手に交ざっての出走。並び順は中央大学 東矢圭吾選手の次の2番目でした。東矢選手は本命と目された選手です。ペーサー離脱後、先頭位置の東矢選手がそのまま加速します。小田島君は離れないように粘ってぴったりと付いたまま最終コーナーもクリアー。明治大学と日本大学の選手が外から抜きにかかります。小田島君は東矢選手の右側に飛び出し、この二人の選手をブロック気味に位置取って加速。外側の大回りを強いられた二人の選手は小田島君に届きません。そのまま小田島君は2位でゴール。強豪校を抑えての2位は見事でした。
ケイリン決勝。ペーサー離脱後の隊列。小田島君は最後尾に陣取る。
決勝戦。相手は中央大学、朝日大学、日本大学、日本体育大学、法政大学。全員が小田島君の倍はあろうかという鍛え上げられた巨大な体躯を持っています。ペーサーの後ろから日本体育大学、朝日大学、法政大学、中央大学、小田島君、日本大学の順。2周したところで最後尾にいた日本大学が隊列の外側からするするっと前に上がります。裏正面でのペーサー離脱のタイミングで日本大学が先頭に立ちました。残り1周半に入る所で、中央大学の東矢選手が急加速。小田島君もこれに合わせて、集団前方に飛び出します。東矢選手はここをチャンスと一気に加速し、集団を振りちぎります。小田島君はこれには付いて行けませんでしたが、集団の先頭に立ったまま最終周に入ります。裏正面では集団を引き離す勢いも見せ、最終コーナーを集団トップでクリア。しかし、他の選手たちは最終直線で持ち前のスプリントを爆発させ、小田島君を抜きってゴール。
決勝で集団を引いて力走する小田島君
インカレ常連校の強豪選手を相手に集団を引き続け、最後になったとは言え、集団とともにゴールした姿は印象的でした。集団内での位置取り、勝負感、気っぷの良い走りは、他校の選手や監督・コーチに強い印象を与えました。
小田島選手は高校時代、ポイントレースやケイリンで岩手県トップの選手でしたが、全国大会での入賞経験はありません。コロナ禍の中、リアルタイム配信のネット授業を毎日受講しながら、早朝や週末に、車がめったに来ない渓流沿いの直線を使った短距離班のスプリント練習や、付いていくこと自体がとにかく苦しいという長距離班に混ざってのロード練習など、春からの練習の成果が実りました。
走り終えて安堵の小田島君
試合の5日後、自転車競技部部長の中井副学長が小田島君にインタビューしました!
−−インカレ6位入賞の感想は?
まだ実感がわきません。
−−感謝の言葉などありますか?
半年間ではありますが、中井部長、山口監督、中井コーチ、佐々木フィジオセラピスト、先輩、仲間たちにここまで支えられて来ました。自分一人で得られた結果だとは思いません。皆さんに心から感謝しています。
−−どのような練習がこの成果に結びついたと思いますか?
強度の高いロード練習が良かったと思います。150kmは高校ではあり得ない距離ですが、この距離をロード専門の選手と共に走って持久力が付きました。また、胎内高原でのもがきの練習や、合宿で行われたパワーメーターデータに基づいて指示が出されるダッシュ練習も効果があったと思います。
−−インカレを初めて走った1回戦目はどうでしたか?
思った以上に緊張しました。雨で寒く、思ったように動けませんでした。
−−敗者復活戦はどうでしたか?
運良く3人の枠に入り、コーチには1位になってこいとプレッシャーを掛けられましたが、リラックスして走れました。同走の選手の癖などを先輩から教えてもらい、レース中には前を行く選手の走り方を観察して、落ち着いてレース展開を作ることができました。
−−1/2決勝を走っている最中は何を考えましたか?
運良く、中央大学の東矢選手の後ろだったので、とにかくその尻だけを見て付いて行くことを考えていました。
−−ゴール前で東矢選手の右側に出ましたが、これは後続の選手をブロックする意図でしたか?
いいえ、まったく後ろのことは考えていませんでした。東矢選手のスピードが鈍ったように見えたので、抜きにかかりました。
−−決勝でも東矢選手の後ろでしたが、東矢選手がダッシュを掛けた時にどのように感じましたか?
デスクホイールが低く唸るような変な音を立てて加速して行くのに怖さを感じました。一踏み毎にグッグッと進む加速は凄かったです。
−−東矢選手に付いたまま集団の前に出て、500mほど集団を引くことになりましたが、何を考えていましたか?
東矢選手のダッシュの切れは凄かったですが、その後のスピードが鈍ったように見えました。追いつけると考えて走りました。
−−今後は?
今回ケイリンに出てとても楽しかったので、今後もケイリンを専門種目にしたいです。
短距離班のチームメートたちも、自分の走りを見て、ケイリンに燃えており、一緒に力を付けて行きたいと考えています。
冬場には、短距離のトップ選手である中井コーチの指導の下、ウエイトトレーニングとパワーマックスで瞬発力を磨いて行きたいと思います。