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中井裕副学長が (公財)食の新潟国際賞財団主催の訪中視察団に参加

中井裕副学長が (公財)食の新潟国際賞財団主催の訪中視察団に参加しました。
数日間の中国滞在の様子を中井先生からレポートしてもらいました!!

 

(公財)食の新潟国際賞財団は、故佐野藤三郎氏に代表される「食の新潟」を形成してきた
先人の功績を継承する財団です。
佐野氏は新潟県亀田郷の芦の沼の乾田化や、中国東北部の黒龍江省の龍頭橋ダム建設と
三江平原の農地改良に尽力しました。

今回の旅は、2002年に完成した龍頭橋ダムや周辺の農業の状況を視察すると共に
佳木斯(ジャムス)大学外国語学院、黒竜江省水利科学研究院、黒龍江省政府外事弁公室、
ハルピン市政府等との意見交換を目的としたもので、総勢19名で行ってきました。

(龍頭橋ダム)

ハルピンからジャムス、ジャムスから龍頭橋ダムまで、計9時間のバスの旅でしたが
車窓から見える風景のほとんどがトウモロコシと水稲、ときに大豆、
まれにジャガイモと葉タバコの耕地でした。
トウモロコシ畑の区画は巨大で、米国ジョン・ディア製のトラクターやハーベスターなどの
大型農機が使用されており、近代化と大規模化が進んでいる様子を目の当たりにしました。
水田は10a程度のものもあって、規模は様々でしたが、
今後基盤整備が進むことによりさらに生産性は向上するものと思われます。
急速に発展を遂げた中国農業のパワーを見せつけられました。

(車窓に続くトウモロコシ畑)

しかし、高い生産性を維持するためには化学肥料が必要になります。
中国は有数のリン資源保有国ですが、中国国内のリン鉱石は30〜40年で枯渇するとも言われており、
大いに将来が懸念されます。
本学では4年生の必修科目として食料安全保障について全員で考えることになっていますが、
中国農業が世界や日本の農業や資源に及ぼす影響は、この授業での重要な課題の一つになると思われます。

一方、ハルピン市の人口は1000万人を突破していますが、
今なおマンション建設のラッシュでした。
莫大な人口を飲み込んで巨大化し続ける地方都市の姿に圧倒されました。

(オペラハウスから臨むハルピン市新市街)

集約的な農業への転換、都市の急速な人口集中、消費者の食ニーズの高級化などによって、
多くの問題が生じることが予想されます。今後も中国から目を離せなくなりました。

(ハルピン市政府庁舎)

ハルピン市は、新潟空港から週3便の空路を使って2時間程度で行くことができる新潟のすぐ隣の外国都市です。
新潟市が友好連携を結んできた歴史もあり、
新潟食料農業大学としてもハルピン市および黒竜江省との交流を深めて行きたいと思います。


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