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【研究紹介】村上茶×ハーブのオリジナルブレンドティーの開発に挑戦!

本学では実務経験豊かな教員のもと、食・農に関する様々な研究に取り組んでいます。
今回は第1期生から取り組んできたオリジナルブレンドティーの開発について紹介します。

研究の始まりは第1期生小久保 夏希さん(2022年卒)でした。小さい頃から「お茶」に興味があり、「自分のお茶ブランドを作りたい!」と2年次よりフードコースに所属。

学内インタビューの際にも「自分の作ったお茶や栄養バランスを考えたメニューでカフェを開きたい」と夢を語ってくれました。

4年次には長年食品メーカーで飲料開発に取り組んでこられた、横向 慶子教授のゼミに所属し、本格的にオリジナルブレンドティーの研究・開発に取り組み始めます。

まずは「北限のお茶」村上茶について知識を増やすべく、村上市の冨士美園株式会社様を訪れ、茶畑見学や茶摘み体験、お茶の試飲などを行い、村上茶の特徴や抽出温度による味の違いなどを勉強しました。
■見学の様子はこちら

大学に戻ってからは取り寄せた17種類ものハーブを村上茶とブレンドし、茶葉の量や抽出温度、抽出時間の違いによる実験を繰り返しました。お湯を沸かして試飲しては、やり直すの繰り返しだったようです。

そして様々な方の意見を取り入れ研究に活かすため、在学生・教職員を対象にした官能評価を実施
「緑茶の渋みをどう活かすか」「冷めてもおいしく飲めるようにするには?」などの声が聞かれました。

小久保さんの卒業時には、レモングラスとレモンバームが村上茶と相性が良いというところまでは完成し、特に「緑茶よりむしろブレンドティーの方がお土産として持ち帰りたい」という評価を得ていました。
そのあとに、第2期生 星野 万悠子さん(2023年卒)が研究を引き継ぐことに。

星野さんは、「最終目標をティーバックだけでは終わらせたくない。PETボトルに入れて多くの皆さんに手軽に飲んでほしい」と考えていました。最初は、冨士美園株式会社の飯島社長に村上茶とハーブティー(村上茶×レモングラス、村上茶×レモンバーム)のブレンド茶をプレゼンしました。とても緊張してしまいましたが、「レモンバームの方がとてもバランスがよい、他にはない味だ」とお褒めの言葉をいただき、ほっとしたことを今でも覚えています、と話していました。

さらにターゲットを広げるために、研究を進めながら村上茶サークルを立ち上げ、新発田市菅谷地区で開催された菅谷マルシェに出展、試飲会を行いました。500名以上の方にお越しいただき、一般の方のご意見を聞ける貴重な機会になりました。

星野さんは「飲みやすい、リラックスできた、などのお声をいただき、とても嬉しかったです。緑茶とハーブのブレンドという新たな文化が広まる第一歩になったと思います。」と振り返ってくれました。

そして、大学の文化祭で手作りのティーバックを配布する自信にもつながり、自分でデザインしたシールを張り付けて、SNSで村上茶サークルの活動を発信しながら、村上茶×レモンバーム、村上茶×レモングラスを学内外の方々に配布しました。

その後、冨士美園株式会社様と胎内高原ハウス株式会社様のご協力のもと、ペットボトル飲料の試作に挑戦。

試飲を繰り返し、試作品が完成。足掛け2年の卒業研究が形になりました。抽出条件や抽出温度、細菌検査などたくさんのアドバイスをいただき、いくつかのステップを乗り越えて、ラベルのデザインも手掛けて、ペットボトル飲料を手にしたときには、とても感激しましたと、星野さん。

(イラストサークルの協力も得て、ラベルデザイン案を4種類作成)

完成した試作品は2023年3月11日に執り行われた卒業式にて2022年度卒業生129名全員と3月18日、4月22日に開催されたオープンキャンパスに参加した高校生に配布されました。今では、高校生からのアンケートの回答も集まってきています。



(大学案内リーフレットでも村上茶サークルの取組を紹介しています。)


アンケートには「早く発売してほしい」「冷たくして飲んだ時と、温めて飲んだ時では味が違う」「後味がすっきりしていておいしい」など、県内外からもたくさんの声が聞かれました。

 

今後は試作品のアンケートを参考に、販売に向けて活動を展開していきます。

 


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