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2024年度第1回アグロフードセミナーを開催「カーボンニュートラル化と地域社会への貢献」

本学では、食料産業の発展方向を探り、情報を発信するために企業や研究機関等と連携し、アグロフードセミナーを実施しています。

今年度第1回目は「カーボンニュートラル化と地域社会への貢献」と題し、JX石油開発株式会社 サステナブル事業推進部 
中条共創の森オープンイノベーションラボ 所長 門澤伸昭様にご講演いただきました。

当日のアーカイブ配信はこちらからご覧いただけます。


(左から)
本学 中井裕 学長
前 本学食料産業学部長・社会連携推進室長 武本俊彦 氏
JX石油開発株式会社 サステナブル事業推進部
中条共創の森オープンイノベーションラボ 所長 門澤伸昭 様
本学食料産業学部食料産業学科 アグリコース 趙鉄軍 准教授
本学食料産業学部食料産業学科 フードコース 阿部憲一 講師

【第1部】    講演
JX石油開発株式会社 サステナブル事業推進部
中条共創の森オープンイノベーションラボ 所長 門澤伸昭 様
「地域社会のカーボンニュートラル化」

第1部では、JX石油開発株式会社 門澤伸昭様より、カーボンニュートラルについてお話しいただきました。
ENEOSグループのJX石油開発株式会社様は、基板事業である石油・天然ガス開発事業に加え、環境対応事業をもう一つの軸とする「二軸経営」を掲げ、カーボンニュートラルの実現に向けた新規事業の推進にも取り組んでいらっしゃいます。
胎内市にある中条油業所内に、こうした新規事業創出の場とすべく、「中条共創の森オープンイノベーションラボ(NOiL)」を開設され、先日竣工式が行われた新事務所についても、ご紹介いただきました。



また、新潟県内の環境対応に向けた動きと今後の展望についてもお話いただき、最後は、本学に委託いただきました研究「かん水中に含まれるフルボ酸の植物生育に対する効能に関する研究」について触れ、将来的に『営農型太陽光』、『 未利用熱、 CO2 農業活用 』 、 『 バイオマス残渣利用 』 等、カーボンニュートラルと農業を結び合わせた取組みについて本学と協力のもと実証等の検討を進めたい、と締め括られました。

【第2部】JX石油開発株式会社委託研究発表
本学食料産業学部食料産業学科 アグリコース 趙鉄軍 准教授
「かん水中に含まれるフルボ酸の植物生育に対する効能に関する研究」

第2部では、本学アグリコース趙鉄軍准教授より、JX石油開発株式会社より受託した研究について発表いたしました。

フルボ酸は、土壌中の「腐植物質」の一種で、土壌有機物の重要な構成要素です。土耕栽培におけるフルボ酸の効果は、作物の生育促進や収量の向上などで実証されており、これにより農業生産の向上が期待されている一方で、フルボ酸の化学構造は生成された環境により異なるため、その効果も異なると言われています。
本受託研究では、JX石油開発株式会社中条油業所のかん水から採取されるフルボ酸の農業的な効能の有無の判明を目指しました。



研究結果として、フルボ酸の施用により、チマサンチュでは、葉色の変化、葉展開や草丈伸⾧が促進されるなどの有意差も観測されました。
キュウリでは、葉面積の増加、耐暑性の向上、収量の増加及び秀品率をアップする効果が確認されました。

今後の展望として、胎内市のかん水から採取されるフルボ酸を用いて、胎内市の大学でフルボ酸の植物生育に対する効能に関する研究を実施し、フルボ酸の農業への効果を検証することにより、胎内市のフルボ酸が商品化され、世界・日本・新潟県の農業に貢献することによって、地域活性へ繋がる好循環のモデルケースとなり、そして、フルボ酸が社会実装されることを期待します、と締め括られました。



【第3部】パネルディスカッション
「カーボンニュートラルへの道:持続可能な未来への一歩」
ファシリテーター/
前 本学 食料産業学部長・社会連携推進室長 武本俊彦 氏
登壇者/
JX石油開発株式会社 サステナブル事業推進部
中条共創の森オープンイノベーションラボ 所長 門澤伸昭 様
本学食料産業学部食料産業学科 アグリコース 趙鉄軍 准教授
本学食料産業学部食料産業学科 フードコース 阿部憲一 講師

続いて武本氏がファシリテーターを務め、パネルディスカッションが行われました。

まず、第3部から登壇した、本学食料産業学部食料産業学科フードコース阿部憲一講師が、自己紹介を兼ねて研究紹介を行い、それに関連して、かん水の排熱利用やメタン発酵に関して議論がなされました。
現在は、中条油業所のかん水からヨウ素を抽出しているそうですが、そこまでで留まっており、温泉水が40℃~50℃のまま排水されているとのことです。
趙先生からは、施設園芸への活用方法として、温室全体の加温ではなく、トマトやイチゴの生長点局所加温が提案されました。
門澤様は、施設との距離が離れると、コストもかかってしまうため、地産地消で近くに排熱を利用できる施設がある事が望ましいと話されていました。



またファシリテーターである武本氏からは、JX石油開発株式会社が実証に取組まれている、『国産バイオマスからのCO₂ネガティブ水素製造に係るBECCS一貫実証』について、門澤様へ投げかけられました。
大気からCO₂を吸収したバイオマス燃料から、ガス化の過程でCO₂とH₂を分離・回収し、CO₂を地下に入れてしまうことで、大気中のCO₂を減らすことができ、クリーンなエネルギーを生み出せるといった説明がありました。



その後、質疑応答はZoom、会場からの質問がいくつかなされ、ご回答いただきました。
また、会場参加者限定で行われた講演終了後の交流会では、連携して活動したいという皆さまも多く、活発に交流が行われていました。

本学では、社会連携推進課及び新潟食料健康研究機構を窓口に、様々なご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

今回のセミナーは、対面及びオンラインでのハイブリッドにて実施いたしました。

ご講演いただいた門澤様、会場及びオンラインにてご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
次回のアグロフードセミナーもご期待ください。


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