社会連携活動
【社会連携活動】食べ物の「おいしい」を支える水って、どこから?ー学生が水利の現場を訪ねましたー
水と農業のつながりを知る!「水利ゼミ」に参加しました。
アグリコースの荒井瞭太さん(4年)と加藤瑞貴(2年)さん、中村真央さん(1年)の3名が、北陸農政局と新潟日報社が企画する「水利ゼミ」に参加しました。
このブログでは、加藤さんと中村さんが参加した9月11日(金)「笹ヶ峰流域」の様子をお伝えします。
そもそも「水利」とは、農業などに必要な水を確保し、ためたり、運んだり、安定して利用できるようにするための仕組みや施設のことです。
私たちが普段何気なく食べているお米や野菜も、作物を育てるための水がなければ生産することができません。今回の水利ゼミでは、農業を支える「水」がどのように管理され、私たちの暮らしや農業につながっているのかを、実際の施設や農地を訪れて学びました。
まずは「笹ヶ峰ダム」へ!
最初に訪れたのは、農業用水を確保する重要な施設である「笹ヶ峰ダム」です。
笹ヶ峰ダムでは、雪解け水や雨水を貯留し、農業用水を安定して供給しています。また、水力発電も行われています。
担当者の説明を食い入るように聞いていた中村さんは、「春から秋にかけて職員の方が24時間常駐して管理している一方、冬場は遠隔で監視を行っていることや、パソコンやボタンなどを使って施設を管理していることが印象に残りました」と話します。
さらに、笹ヶ峰ダムでは地すべり対策も行われています。
地すべりによって貯水池の安全性や機能が失われると、農業用水の安定供給にも影響が出る可能性があります。そのため、長い年月と多くの費用をかけて対策を行い、事業が完了した後も継続して監視が続けられています。
加藤さんも、笹ヶ峰ダムで見た「小規模水力発電やデータ制御など、さまざまな先進的な技術」が印象に残ったそうです。
普段はなかなか見ることのできない農業用水の管理現場を実際に見学し、水を安定して届けるためには、さまざまな技術や人の力が必要であることを学びました。
お昼は「Nagomi cafe」!
午前中の見学を終え、昼食は「Nagomi cafe」でカレーライスをいただきました。
見学で学んだことを振り返りながら関係者の皆さんや学生同士で意見を交わし、交流も深めました。
普段とは少し違った場所での昼食ということもあり、午前中の緊張もほぐれ、和やかな時間となりました。
130年の歴史を持つ「上江用水路」
昼食後に訪れたのは、世界かんがい施設遺産に登録されている「上江用水路」です。
「世界かんがい施設遺産」という言葉を今回初めて知ったという中村さん。上江用水路が、なんと130年もの長い年月をかけて掘り継がれてきた用水であることにも驚いたそうです。
特に印象に残ったのは、用水路をつくる過程で、上流と下流の農民がそれぞれ負担や協力をしながら整備を進めてきたことでした。
上流域では、水路をつくることで農地が減少したり、利用できる水が減少したりする一方、下流域の農民も水利費を負担したり、用水路の掘り継ぎに協力したりしたそうです。
中村さんは、こうした歴史を知り、「当時の農民の方々の苦労や努力、そして互いの協力があってつくられた用水路」なのだと感じたようです。
長い年月をかけて受け継がれてきた農業用水には、施設そのものだけではなく、地域の人々の思いや協力の歴史も詰まっていることが分かりました。
最後は「グリーンファーム清里」へ
最後のプログラムは有限会社グリーンファーム清里を訪問しました。
グリーンファーム清里では、米作りだけでなく、ブドウ栽培や畜産にも取り組んでいます。
中村さんが特に印象に残ったのは、ブドウ栽培や畜産において、若い人たちの考えを取り入れながら取り組んでいることでした。
加藤さんも、「新たなことにチャレンジできているのは、若者のチャレンジ精神によるもの」と感じたそうです。
農業というと、「昔から続いているもの」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、地域の農業を未来につないでいくためには、新しいアイデアを取り入れたり、新しいことに挑戦したりすることも大切です。
水利ゼミを通して見えた「農業を支える人と仕組み」
今回の水利ゼミを通して、学生たちは農業を支えているのは、作物を育てる農家の方々だけではないことを学びました。
水をためるダム、水を運ぶ用水路、農地を守るためのさまざまな取り組み。そして、それらを整備・維持管理する多くの人々の努力。
中村さんは、「農業は作物を育てるだけではなく、水や土地、農業水利施設など、さまざまなものによって支えられている」と実感しました。さらに、「農業用水が安定して供給されることは、当たり前ではない」と感じたそうです。今回学んだことを「自分の家の農業にもつなげていきたい」と話しています。これからは、普段何気なく使っている水がどのように田畑まで届いているのか、農地がどのように維持・管理されているのかにも目を向けていきたいそうです。
一方、加藤さんは、今回の学びを今後の農業への向き合い方にもつなげ、「農業用水の効率的な利活用を行いながら、新たなことに少しずつチャレンジしたい」と考えています。
「食」を学ぶからこそ知ってほしい、水のこと
私たちが毎日食べているお米や野菜。その背景には、豊かな農地だけでなく、農業に必要な水を安定して届けるための施設や、それを守る人々の存在があります。
今回の水利ゼミは、普段あまり意識することのない「水」と「農業」のつながりについて、実際に見て、聞いて、感じることができる貴重な機会となりました。
新潟食料農業大学では、教室の中だけではなく、実際の農業現場や地域に足を運び、食・農・ビジネスについて幅広く学ぶ機会があります。
水利ゼミで得た学びをこれからの研究、それぞれの「食と農業」への関心につなげていきます。
参加した学生のコメント
【アグリコース4年 荒井瞭太さん】9月7日(月)「新津郷・水利ゼミ」に参加
「今回の水利ゼミに参加したのは、普段何気なく見ている水路や農地が、どのように支えられているのかを実際に見てみたいと思ったからです。特に印象に残ったのは車場揚水機場です。普段見ることのできない施設の内部やポンプ室、新設工事の現場を見学し、農業用水を安定して供給するために、多くの人が施設の管理に関わっていることを知りました。また、営農者の方から直接お話を聞くことで、水利施設と実際の農業とのつながりも感じることができました。今回の見学を通して、農業は農家だけでなく、水利施設の整備や維持管理、土地改良事業など、多くの人に支えられていることを学びました。今後は、普段目にする農地や水路についても、その背景にある仕組みや人の働きを意識して見ていきたいと思います」
【アグリコース2年 加藤瑞貴さん】9月11日(金)「笹ヶ峰流域ゼミ」に参加
「今回、水の効果的な利用に関する施設や遺産について実際に自分の目で見て回りたいと思い、参加しました。特に印象に残ったのは笹ヶ峰ダムです。小規模水力発電やデータ制御など、さまざまな先進的な技術が活用されており、水を有効に利用するための工夫を実際に見ることができ、とても興味深かったです。また、有限会社グリーンファーム清里では、『新たなことにチャレンジできているのは、若者のチャレンジ精神によるもの』という話が印象に残りました。農業の分野でも、これまでの方法にとらわれず、新しいことに挑戦する姿勢が大切だと感じました。今回の体験を通して、農業用水を効率的に利活用することの重要性を学びました。今後は、農業用水を有効に活用しながら、自分自身も新しいことに少しずつ挑戦していきたいと思います」
【1年 中村真央さん】9月7日(月)「新津郷・水利ゼミ」、同月11日(金)「笹ヶ峰流域ゼミ」に参加
「2日間水利ゼミに参加させていただきました。今回の水利ゼミを通して、農業は作物を育てるだけではなく、水や土地、農業水利施設など、さまざまなものによって支えられていることを学びました。多くの人が施設の整備や維持管理を行ったり、多くのお金や時間をかけて圃場整備や用水路の整備を行ったりしていることが印象に残りました。1人の力だけではなく、多くの人の苦労や努力、協力、工夫があって、現在の農業や農業水利施設が成り立っているのだと感じました。今後は、農業について学ぶ際に、作物の栽培方法だけでなく、水や農地、農業水利施設など、農業を支えている環境にも目を向けていきたいです。また、今回の見学を通して、農業用水が安定して供給されることは、当たり前ではないと感じました。そのため、これからは水の大切さや農業水利施設の重要性を意識しながら、農業について幅広い視点から考えていきたいです。さらに、私の家でも米作りを行っているため、今回学んだことを自分の家の農業にもつないでいきたいです。普段何気なく使っている水がどのように田畑まで届いているのか、農地がどのように維持管理されているのかにも目を向け、家族とも話しながら、これからの自分の家の農業にも活かしていきたいです」
「水利ゼミ」の様子をもっと詳しく!
ダムや用水路、農業の現場を実際に訪れ、「水」と「農業」のつながりについて学んだ水利ゼミ。
当日の様子が、新潟日報社の記事でも紹介されています。
学生たちが現地で何を感じ、何を学んだのか――。
ぜひ記事もあわせてご覧ください!
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