学長コラム
【第61回】コメ・「粒食」文化、「粉食」文化
胎内は「米粉発祥地」です。
小麦、トウモロコシ、大麦、そば等、世界の穀物の多くは「粉食」での消費が主流だった。
輸送や携帯に便利、火の通りが早く調理の時間が短い、加工しやすいなどの利点からです。
日本でのコメも、かつては「粒」「粉」の共存でしたが、
主食の分野では急速に「粒食」が卓越してしまった。
魚沼コシヒカリのように「粒食」のコメがおいしくなり過ぎ、「粉」を駆逐し
単一銘柄米流通が主体となり加工利用を軽視した。
小麦粉が食生活、機械適性の変化に応じ柔軟な工夫、需要対応をしてきたのに
米粉にはそれが欠けていて競争に負けた。
小麦粉は、いわゆる「車屋(水車)製粉」のレベルから脱却・発展し、
輸入と食料消費の変化・高度化に対応してきた。
小麦では「うどん粉」は「メリケン粉」に向上し、
さらに、細かい用途に見合った品質「薄力粉、強力粉」へと需要の変化を逃がさない。
食生活の欧風化、簡便化に応え、家庭用も「ミックス粉、てんぷら粉、唐揚げ粉」へと多様化する。
コメ利用の将来はどうか、コメの長所を米粉でも生かしつつ、短所を克服すればよい。
糊化・固化はクリアできた、玄米粉なら優れた栄養が発揮できる。
コメは高生産性、高栄養を持つ「高級財」
国際市場でもコメ>小麦>トウモロコシの価格関係は不変です。
今後は機能性も生かせるし、グルテンフリー食品をつくりやすい、血糖値の上昇を遅らせるなど期待は広がる。
そして、コメが世界の市場に出ていくとき、カギは相手国の食文化を壊さないこと
米粉=「粉食文化」でなら貢献できます。
新潟の高いコメの生産力を米粉で生かしていこう。
「べいべい」は、日本版ガレットだ。