食農大の日常
【授業紹介】「HACCPシステム論」を開講しました!
みなさん、HACCP(ハサップ)という言葉、ご存知ですか?
耳慣れない方もいると思いますが、食品の衛生管理における世界的な工程管理システムのことです。
日本でも改正食品衛生法が2020年6月から施行が始まり、食品関連事業者にHACCPの導入が義務付けられました。また、2021年6月からは完全施行となっています。
そんな世の中の関心の高いHACCPを学び修得することを目的とした集中講義「HACCPシステム論」が、9月8日から10日までの3日間をかけて本学の3年生を対象に開講されました!
■HACCP(ハサップ)とは
食品の衛生管理における世界的な工程管理システム。
原材料の受け入れから最終製品までの工程ごとに、微生物による汚染、金属の混入などの危害要因を分析(HA : Hazard Analysis、危害要因分析)したうえで、危害の防止につながる特に重要な工程(CCP : Critical Control Point、重要管理点)を継続的にモニタリング・記録する工程管理システムです。
アメリカやEUおよび日本では、すべての食品分野に義務付けられています。
そのため、HACCPシステムについて十分な知識を持って、実務を行い、指導する立場の人材が多く求められています。それを証明する資格の1つが日本食品保蔵科学会により認定されている「HACCP管理者」資格です。
※HACCP管理者資格について詳細はこちら→https://nafu.ac.jp/faculty/certifying/
■HACCPへの関心の高まり
2020年6月より義務化が進められてきたHACCPによる衛生管理ですが、2021年6月にいよいよ完全義務化となりました。
これを機にHACCPに対する世の中の関心も高まってきており、HACCP管理者資格の重要性もまた高くなっています。
この資格を、本学では所定科目の単位を取得することで取得することができます。
本講義では外部講師として、「HACCP管理者認定テキスト」共同著者の 春田 正行 先生 をお招きし、実際にHACCPを運用するうえで必要になる実務を実践重視で学びました。
今回はその集中講義の様子を一部ご紹介します!
■集中講義1日目
初日はHACCPの概要や目的、手順を学び、作業現場でどのような工程管理がなされているのかを確認しました。
その後は講義を挟みながら、グループ毎に「ポテトサラダ」「アジの磯辺揚げ」など具体的な食品を選択し、商品と原材料の説明や製造工程、フローダイアグラムを作成しました。
■集中講義2日目
前日に各グループで作成した商品説明書とフローダイアグラムの発表を行いました。
春田先生から講評、アドバイスをいただき修正を加えることで、学生たちはHACCP運用に欠かせない「製品および原材料の記述」と「フローダイアグラム」について理解を深めていた様子でした。
その後はハザード分析(HA(Hazard Analysis):原材料や製造加工工程における危害因子や健康被害の程度、管理方法を明確にする)について学び、ハザードリストを作成。その中でも重要な管理ポイント(CCP:Critical Control Point)について学び、設定を行いました。
■集中講義3日目
2日目に設定したハザードリストと、重要管理点の発表を行いました!
その後さらに詳しく許容限界基準(CL:Critical Limit)値の設定やモニタリング方法の設定などについて学び、最終的には各グループでHACCPプランを作成し発表しました。
本講義を受講した学生はHACCP運用に必要な知識と基礎実務を修得することができました。今後はHACCP管理者資格を申請し、取得することになります。
昨年度から開講された「HACCPシステム論」を受講した学生数は、本年度と合わせて100名を超えました。将来の「食のジェネラリスト」としての展望がより現実味を増し、学生たちのさらなる意気込みを感じました!