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第1期卒業生が日本畜産環境学会大会で奨励賞を受賞!

2022年6月18日(土)に開催された日本畜産環境学会第20回大会において、眞貝佳央梨さんが奨励賞を受賞しました。

大会は新潟食料農業大学胎内キャンパスを本部としてオンラインシステムを活用して行われました。

この奨励賞は大会で発表した若手を対象としたものです。現場研究には時間を要することを考慮して37歳以下とされています。


(↑オンラインシステムで発表する眞貝さん)

眞貝さんは、本年3月に卒業した本学の第1期生です。

卒業論文研究として行った、「牛舎における作業従事者に対する危害要因と安全管理システムに関する検討」をまとめて今回の学会で発表しました。

胎内市内の酪農家でアルバイトをしていた際に、牛糞の飛沫が作業着に付着することを経験し、これは人の健康にとって危険はないのかと疑問に思ったことがきっかけです。卒論研究はHACCPなど作業環境の安全性に詳しい丸山純一先生のもとで行いました。

(↑オンライン配信された発表画面)

乳牛舎内の落下細菌、ウシの肛門の付着細菌、糞便細菌、敷料に用いる籾殻、作業に用いるスクレーパーや長靴などの細菌を培養法によって計数して、汚染状況をモニタリングしました。その結果、牛舎内では広く落下菌が検出されること、籾殻が空中に飛散することがあること、籾殻は搬入前から細菌が付着していること、糞便中の細菌叢と落下細菌叢は類似していること、落下細菌は検出箇所近くの牛個体の肛門付着細菌との関連は低いこと、作業器具上で糞便由来細菌が増殖した可能性があることなどを明らかにしました。

これらのことは、牛舎の作業空間に多くの細菌が飛散または付着していることを示しており、ウシの糞便や籾殻などに病原菌が存在する場合は、作業環境から作業者への病原体感染のリスクが高いと考えられます。本研究は、畜舎内における作業環境管理の改善や安全管理システムの構築に重要な知見を与えるものであり、現場を重視する研究者を多く含む日本畜産環境学会の審査員に高く評価されたものと思われます。

(↑オンラインで授賞式が行われました。右端が眞貝さんです。)


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