食農大の日常
【高大連携事業】村上中等教育学校の皆さんに茶抽出体験をしていただきました!
本学では高大連携の一環として教員による出前授業や大学見学会を行っています。
7/16(土)に村上中等教育学校の21名の皆様が本学に来学し、村上茶抽出体験の出前講座を行いました。
体験内容は本学フードコース 横向 慶子教授が2021年2月に県立新潟高等学校で開催された『教材生物研究会』という県内高校の生物の先生方が集まる会で『味覚研究と商品創造』というタイトルで講演したことがきっかけで、参加されていた村上中等教育学校 石本 由夏教諭より「大学での設備を使用して実験をしたい」という依頼をいただき、コロナ禍の状況を見ながら、昨年暮れより計画をおこない、実現した出前講座です。
まずは、村上中等教育学校の皆さんは7月9日(土)に冨士美園株式会社によるお茶を抽出する際の温度の違いによる味の違いに関しての抽出試飲講座に参加し、続いて1週間後の7月16日(土)に本学で抽出温度の違いによるお茶の渋み成分であるタンニン量を測定する出前授業を実施しました。
当日は村上中等教育学校の生物同好会の19名(4年3人、5年11人、6年5人)の皆さんと石本 由夏教諭、中村 百恵教諭が来学。
村上茶の「煎茶」と「茎茶」を使用し、抽出温度でタンニンの量に違いが出るかを調べました。
通常一人当たりお茶は3g100mlのお湯で抽出されますが、体験講座では1.5gの薬包紙に包まれた煎茶と茎茶が各班に4つずつ配布され、自分たちで抽出温度を決定。50mlのお湯をメスシリンダーで測り、温度条件はそれぞれ60-90℃と水で抽出したのち、酒石酸鉄試薬で発色させ、540㎚の波長の吸光度を分光光度計で測定し、検量線からタンニン酸量を計算して求めました。
高校生の皆さんはマイクロピペットに触れることも初めてで、一人1本渡されたマイクロピペットの使い方を水で練習し、定量方法を確認してから希釈したり、測り取ったりしました。分光光度計も各班それぞれの実験台に用意され、全員がディスポーザブルセルに発色させた試料を入れ、測定を体験していただきました。
真剣に取り組む高校生の皆さんのまなざしを見ていて、あっという間の2時間でした。
参加した方は「普段触れないような機械を使うことができて楽しかったです。自分の舌ではよくわからないお茶の味の違いを実験のデータから知ることができて面白かったです。」(5年女子)
「カテキンの抽出が人生初めてでワクワクしました。また普段学校では見ることができない実験機器がありとても楽しい大学でした。」(5年男子)
「普段見たり触ったりできない実験機器を使うことができたり、初めて見る試薬の効果を考えたりと、とても新鮮な体験をすることができました。多くの操作があり戸惑いましたが、協力し合い、自分の役割を果たそうと努力して得られた結果はとても達成感を感じました。」(6年女子)
と感想を述べてくださいました。
出前講座の始まる前に高校生の皆さんには大学構内や圃場も見学していただきました。
感想として「有機農業の有用性や食の安全性についての研究を詳しく行っていて、安全な食べ物を畑から家庭まで届ける一連の流れを研究しているところがすごいと思った。」(6年女子)と話してくださいました。
また、当日は2022年7月に設立された「村上茶サークル」のメンバー3名もサポート役として参加。
高校生と交流を図りながら楽しんで実験を行うことができました。
村上茶サークル代表の食料産業学科4年 フードコース 星野 万悠子さん(左)は今回の活動について「村上市の高校生と一緒に村上茶の成分について学び、高校生に実験器具の使い方やお茶の成分であるタンニンについて知ってもらうことができたので良かったです。
今後は、このように、お茶の成分や効果について学べる、体験イベントを実施し、村上茶を身近に感じてもらえるような取り組みをしていきたいです。 」と話してくれました。
今後の活動も随時発信します!お楽しみに!
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