食農大の日常
新潟食料農業大学と新潟医療福祉大学の学生がコラボ、『漁』×『農』×『福』をテーマにイベント出店
魚とトマトと米がひとつになった―。本学と新潟医療福祉大学の学生が考案した「魚介トマトお粥」が7月26日(日)の朝、南浜小型船だまりで提供され、およそ1時間で予定の50食分を完売しました。
魚介トマトお粥がふるまわれたのは、本学新潟キャンパスからほど近い「南浜小型船だまり」。この漁港では、とれたての魚介類を直売する「南浜ミニ朝市」が定期的に開かれます。7月26日は年10回の朝市のなかでも特別な一日。漁船体験をはじめ、盛りだくさんの催しが開かれる「魚と漁師と遊ぼう」というイベント日です。会場の一角を使い、本学で「地域学」を学んだビジネスコース3年生と4年生の学生有志、そして新潟医療福祉大学心理・福祉学部社会福祉学科の原口彩子先生が率いる原口ゼミの学生が、手間をかけて仕込んだお粥を提供したのです。
南浜で調達した魚でとった出汁にごはんを入れ、その上にトマトソースをたっぷりかけ、魚のすり身で作ったつみれ団子をのせた一品。さらには、バジルや粉チーズや塩コショウなどのトッピングでアレンジしていただくというもの。「やさしい味でおいしい」「さっぱりした出汁と酸味のあるトマトソースの組み合わせがいい」と好評でした。
「魚と漁師と遊ぼう」イベントは、新潟漁業協同組合南浜支所の皆さんが子どもや若者に魚に親しみをもってもらいたいという想いから開催しており、今年で17回目を数えるそうです。漁協から車で5分という近距離に本学があることから、「学生たちが楽しみながら、魚にふれるよろこびを知ってもらえれば」と、2025年からイベント出店のお誘いを受け、今年が2度目の出店です。
実は魚介トマトお粥ができあがるまでには奥深いストーリーがあります。「朝開催のイベントなので朝ごはん向けに、胃にやさしいおかゆがいいかも」「主役の魚をブイヤベースにしてだしを取ろう」「シェアリングトマトを使おう」とここまでは順調でした。シェアリングトマトとは、作業を手伝うかわりに、収穫時期終盤の規格外のトマトをいただくという取り組み。北区でトマトを栽培する曽我農園さんがシェアリングを実施されており、今回そのトマトを使うことになりました。
悩んだのはその先。「出汁をとるだけではなく、魚の身もお粥に使いたいね」「でも魚には結構小骨があって食べにくいよね」ちなみに使った魚はカナガシラ、イシモチ、カマス。そして出たのが、極限まで小骨を取り除いた上ですりつぶし、つみれにするという案でした。昨年は別のイベントで参加した4年生の内田峻輔さんの発案でした。「これで魚の身の部分を生かすことができる。『これはイケる』と確信しました」と内田さん。
事前の仕込みでは、新潟漁協南浜支所にて三枚におろしていただいた魚の皮と小骨を丁寧にとるところから始めました。「いままで魚を触ったことがなかった」という学生が大半でしたが、「つみれにする案はグッドアイデアだと思った」「仕込みは大変でした。それだけに当日はおかゆが一つ一つ売れていく様子を見られてうれしかった」など達成感を感じている様子。
イベント出店という形で、本学が新潟医療福祉大学とコラボをしたのは今回が初めてです。「地域学」を担当する横尾先生と新潟医療福祉大学の原口先生を曽我農園さんが橋渡ししてくださったことがきっかけです。横尾先生の「地域学」では「現地に出向き、現地の人と会って、話を聞く」ことから始まります。授業では、学生を伴って南浜船だまりを訪れ、学生自ら漁師の方々に直接インタビューを行い、講義終盤では漁師の方々やまちづくりに関わる関係者を前にし、「南浜の未来」についてプレゼンをおこないました。今回のイベントはその延長線上にあります。
原口先生のゼミでは、農福連携をテーマの一つとして、多様な人たちが共生できる方法のひとつが農業という考えで、曽我農園ともつながりを大切にしてきました。人と人が一次産業を通じて縁を結び、そこに学生たちのアイデアが相まって魚介トマトお粥ができあったのです。
昨年から地域学の講義や学生の出店で尽力いただいた新潟漁協南浜支所の神田義信支部長からは「よくがんばった。来年からはもっと広いブースのスペースで考えた企画を実施してもらいたい」と激励の一言。他の漁協関係者からも「こんなに魚がトマトと合うとは!」「魚好きな年寄りにはたまらないおいしさ」とおほめいただきました。トマトを提供してくださった曽我農園の曽我新一社長は「学生さんたちともっといろんな形でコラボレーションできればうれしい」と語ってくださいました。
お世話になった皆様、心からお礼申し上げます。