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【活動紹介】<米上がれ!神楽米>活動報告を行いました!

4月8日(木)、坂井公会堂にて3年間の坂井地区での地域連携プロジェクト<米上がれ!神楽米>の活動報告が行われました!

坂井地区では開学当初から地域の方と協力して学生主体のプロジェクトが行われてきました。

<米上がれ!神楽米プロジェクト>では坂井地区で使われなくなった田んぼをどうするかという話し合いから始まり、地域の方々と一緒に考え、無農薬米の栽培に取り組んできました。

今回は3年間の集大成として、調査・研究の結果報告と中山間地域における持続可能な農業のための提案を行いました!

 

研究テーマは「中山間地での減農薬・無化学肥料水稲栽培の研究および生産者への提案~中山間地域集落における持続可能な稲作の在り方とは?~」です。

研究では4つの区画に分け、栽培を通して設定した条件(ケイ酸有無など)が生育に与える影響を調査しました。

生育・収量評価を行ったのち、食味評価、経済的評価を行いました。

生産調査では、7月から9月にかけて草丈・茎数・SPAD値(葉内の葉緑素濃度を示す)を調査しました。ケイ酸有無によって草丈・茎数・SPAD値にどのような影響を与えているのか、収集したデータから考察しました。

また、生育調査中に発見した害獣の形跡についても稲の倒れ方や倒れた方向から研究し、害獣の侵入が収量に影響を与えることも分かりました。

収量調査では重量、全粒数、登熟歩合(全籾数に対する成熟した籾の割合)を調査しました。茎数(有効分げつ)は区画ごとに差がないため、有効分げつあたりの籾数が収量に大きな影響を与えるのではないかという結論に至りました。

次に食味調査について発表しました。区画ごとに玄米を炊き、食味値、タンパク質、水分、アミロース、脂肪酸度を調査しました。食味調査からは追肥の有無によってタンパク質含量に差が生じたことが分かりました。

そして経済的評価です。区画ごとに費用、売上、利益を算出し、コスト評価を行いました。ここではケイ酸施用による経済的な効果は認められなかったこと、また、追肥した区画では収量面で効果があったものの、追肥にかかるコストを加味すると経済的な効果は認められなかったという結果が分かりました。

これらの調査結果をふまえ、中山間地域で持続的な農業を行うために商品単価向上とそのためには付加価値をいかに見出すかが重要という提案を行いました。
付加価値の創出には「坂井神楽米独自」であり、「顧客に対して有益であるという強み」を見つけ出すことが重要であると結論付けました。

 

さらに、気温・地温調査の報告も行いました。

3地点で計測機器の設置から稲刈りまで毎日10分毎に計測を行いました。
中山間地域では気温差が激しいこと、地温は3地点であまり大きな差が見られないことが分かりました。イネの生育には気温・地温は大きな影響を与えておらず、他に要因があるという考察を導き出しました。

発表後は地域の方からの質問をいただいたり、意見交換を行ったりしました。

本プロジェクトはアグリ・フード・ビジネス全てのコースからメンバーが集まり、それぞれが各コースの専門科目で学んだ内容を活かし、学生主体となって調査。研究を進めてきました。それぞれの知識・技術を集約し、中山間地域での持続可能な農業の発展を考えました。

各コースからメンバーが集まることで研究の幅が広がり、1つのテーマに対し様々な面から考察することができました。

プロジェクトに携わった学生から感想をいただきました。

■アグリコース3年 REGINA ANCILLA NATASYA(レジナ アンチラ ナタシャ)さん

先輩たちと一緒に学生プロジェクトをやらせていただき、本当に感謝しています。

9月の途中から参加しましたが、色々勉強になりました。田んぼに管理や被害などを知り初めて、これは農家の仕事だと感動しました。

やはり、我々は毎日食べるお米の生産は大変だと考えます。自分は未体験のことが多く、先輩たちに迷惑をかけているかもしれませんが、本当に大切な経験でした。

心を込めて稲作するのが、とても大変だと思います。さらに研究のためにデータ収集は正しくやらなければいけないです。このことも私はまた勉強になりました。

 

■ビジネスコース4年 小松 凌さん

開学初年度から続いている活動でこれまで地域の方々にお世話になってきましたが、初めてちゃんとした研究のような形で地域の方々にフィードバックできて嬉しく思うのと同時に今回の発表で少しでも坂井地区、神楽米の発展のきっかけになれれば嬉しいと思っています。

 

■アグリコース4年 酒井 翔平さん

私は坂井地区の活動には3年次からの参加となったのですが、それまでの活動内容は知っており、とても素晴らしいものだと思っていたので、参加できたことがとても光栄でした。

そして、3年目は研究がメインということもあって少し不安もありましたが、研究の計画を練る段階からメンバー間で話し合いを行い、全員で手探りながらも進んできたことは、私のこれからの人生に大きな影響を与えると思っています。一年という短い期間ながらもこの活動に関わることができて本当に良かったです。

 

本研究を遂行するにあたり、ご協力いただきました坂井地区の皆様、大変ありがとうございました。


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