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2023年度第3回アグロフードセミナーを開催「~食がつなげるサステナブルな地域づくり~守ろう、海と魚の未来」

本学では、食料産業の発展方向を探り、情報を発信するために企業や研究機関等と連携し、アグロフードセミナーを実施しています。

 

今年度は、「食がつなげるサステナブルな地域づくり」を年間テーマとし、12月14日(木)今年度ラストとなる第3回目の「アグロフードセミナー」を実施しました。

 

第3回目は「守ろう、海と魚の未来」と題し、一般社団法人Smile Story代表理事 綱本麻利子様にご講演いただきました。

 

当日のアーカイブ配信はこちら からご覧いただけます。

(後列左から)

本学食料産業学部食料産業学科 ビジネスコース 高力美由紀 教授

本学食料産業学部長 社会連携推進室長 武本俊彦 教授

一般社団法人Smile Story 代表理事 綱本麻利子 様

本学食料産業学部食料産業学科 アグリコース 比良松道一 教授

 

(前列左から)

本学食料産業学部食料産業学科 ビジネスコース3年生

稲川真奈さん、滝澤歩侑香さん、櫻井空美さん

 

  • 講演

一般社団法人Smile Story代表理事 綱本麻利子 様

「海洋ごみ削減と未利用魚の利活用」

第1部では、一般社団法人Smile Story代表理事 綱本麻利子 様より、海洋プラスチックごみ問題と、水揚げされても流通に乗らない、未利用魚の活用についてお話しいただきました。

 

Smile Storyは、毎月西区の海岸および河川にて、清掃活動を行っており、街のゴミが川へ、そして海へと流れており、私たちが日々の暮らしでいかにゴミを出さずに生活するか、という事も考えて欲しいと話されました。

また、その海岸清掃活動で繋がりを得た、漁港より未利用魚を活用して欲しいと譲っていただき、魚を食べる機会が少ない子どもたちが食べやすいよう加工し、子ども食堂にて提供するという取組みもされています。

まずは、親世代が「魚を捌けなくなっている」、子どもたちが、「切り身のまま海を泳いでいると思っている」という魚離れの現状を少しでも変えたいと、「捌ける塾」で、魚を捌いて調理する体験を提供するなど、“魚食(ぎょしょく)”の機会を増やし、魚を提供してくれている漁師さんたちに、少しでも還元したいと取り組まれています。

 

また、魚を捌いた際に出る、使われない部位を堆肥化し、無農薬・無化学肥料の野菜作りも始められました。

 

今後は、様々な取り組みを持続可能にするため、ビジネス展開に向け準備をされていらっしゃいます。

 

活動に興味をお持ちの方、賛同いただける方は、是非ご協力いただきたいと存じます。

 

 

【第2部】パネルディスカッション

「フードロスの削減:未利用魚の活用―「食べる」だけではない?!―」

ファシリテーター/

本学 食料産業学部長・社会連携推進室長 武本俊彦 教授

登壇者/

一般社団法人Smile Story 代表理事 綱本麻利子 様

本学食料産業学部食料産業学科 フードコース 長島裕二 教授

本学食料産業学部食料産業学科 ビジネスコース 高力美由紀 教授

本学食料産業学部食料産業学科 アグリコース 比良松道一 教授

本学食料産業学部食料産業学科 ビジネスコース3年生

稲川真奈さん、滝澤歩侑香さん、櫻井空美さん

 

第2部冒頭、パネルディスカッションに入る前に、本学学生によるプレゼンテーション発表、及び本学フードコース長島教授による研究紹介が行われました。

 

まずは、先日食の新潟国際賞財団主催 学生ビジョンコンテストにて、本セミナーテーマと関わりのある発表を行った本学学生チームより入賞作品「低利用魚の活用~もったいないをなくして新潟を元気に」のプレゼンテーションを行いました。

学生たちは、低利用魚を活用する事により、“もったいない”をなくして漁業経営や魚育に貢献したい!また、学生たち自身が企画に参画することで、若者の関心を集め、食と農の未来を創りたい!との想いで発表しました。

 

また、長島教授の研究紹介では、綱本様のご講演や学生の発表とは視点が異なる、“非食用型利用法”について紹介いただきました。

1)マグロの皮抽出物は血中中性脂肪上昇を抑制する

2)体表粘液に微生物から身を守る生体防御物質を発見

特に、生体防御物質については、ふぐ毒を無毒化する、石川県や佐渡に伝わる特産品「フグの子粕漬」についても研究紹介がありました。

続いて武本教授がファシリテーターを務め、パネルディスカッションが行われました。

まず、綱本様からは、学生プレゼンテーションについて、まさにSmile Storyでも取り組みたい内容で、是非一緒に活動しましょう!とのエールが送られました。

また、以前所属されていた九州大学にて、自炊塾を展開されていたアグリコース比良松教授からは、多様な世代が関わっている事で永続性を感じられる点や、調理体験を増やす食育の機会を設けている点について、評価されると共に、さらに深堀して話を展開されていました。

ビジネスコース高力先生との掛け合いでは、子ども食堂の間口を広げ、個食や貧困など、様々な困りごとを解決したいといった点や、商品開発にも焦点を当て、企業からの支援が必要といった話を展開されていました。

フードコース長島教授との掛け合いでは、ビジネス展開について答えられていました。

その後、質疑応答は会場からの質問が大変盛り上がりました。また、会場参加者限定で行われた講演終了後の交流会では、連携して活動したいという皆さまも多く、時間をオーバーして、活発に交流が行われていました。

本学では、社会連携推進課及び新潟食料健康研究機構を窓口に、様々なご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

 

今回のセミナーは、対面及びオンラインでのハイブリッドにて実施いたしました。

 

ご講演いただいた綱本様、会場及びオンラインにてご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

次年度のアグロフードセミナーもご期待ください。


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