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【第6回】先端技術と食の安全、安心 GMOをよく知ろう

品種改良と遺伝子組み換え(GMO) 
多収、効率、良質を求めて農作物の「品種改良」が積み重ねられてきました。
寒さに強い、塩害や病虫害に強い、味がよい、作業がしやすい品種にたどり着くため、
従来は、淘汰(不要なものを除く)・選抜(優れたものを残し増やす)や
交配(雌雄の掛け合わせを重ねて優良品種を定着させる)の手法を主流にしてきました。
これに対し、改良の速度、効果を抜本的に変えたのが<科学的手法での遺伝子操作>で、
GMO:「遺伝子組み換え作物」が生まれました。(GMO=Genetically Modified Organism)

どこでどんな作物が?
世界のGMOマップ アメリカ、カナダ、ブラジル、中国では、GMOが一般化しており、
オ-ストラリア、インド、欧州の一部は、生産が始まったところです。
アメリカでは、ここ20年でGMOの作付面積が100倍に増えたといわれ、
そのトウモロコシ、大豆は日本に輸出されています。(いまのところ、小麦には及んでいないようです)

日本における取扱い・規制と表示
日本国内での商品生産はありません。
北海道や新潟などは、条例によってGMOの生産を禁止していますが、
輸入品についても、大豆、トウモロコシ、馬鈴薯、菜種など8品目は、
JAS法により「GMO表示義務」があります。

アメリカ映画「キングコ-ン」
GMOの普及で、生産コストの低下、収量の増加はありましたが、
特許による種子の独占に対する不安や生態系への影響、ガン、白血病、アレルギ-などの関連性が
不十分だという理由からの懸念・反対もあります。
2009年に上映された「キングコーン」では、「自分たちは親より短命かもしれない。
食べ物が原因ではないか」との疑問を持った2人の大学生が実際に農業を始め、
かつ、全米の30州に食のル-ツ探しの旅に出るというもので、
食料危機と健康がテ-マの印象的なものでした。

NAFUでは食の安全について、食・農・ビジネスの角度から学んでいきます。
安全と安心、飽食と飢餓、健康と経済をどう考え、行動するか、一緒に考えましょう。

  •  *次回は、「和食文化とUNESCOの世界文化遺産」です。       (渡辺こうめい)

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