学長コラム
【第5回】世界を旅する日本の農産物・食品
世界へ出ていく食品、広がる日本の味
新潟名産の米菓「柿の種」は、世界各地に輸出されていますが、
パリでの流行は、トウガラシ味ではなく<ワサビ゙味>だと聞きました。
また、ストックホルムから送られてきたメ-ルには、
「ワサビ・チ-ズ」の画像があり、日本食の国際化は“ワサビ”がキーワードになっているようです。
日本の食は、形を変えつつ世界に広がっています。
農と食の国際市場は680兆円へ
グロ-バル時代で、日本の農産物・食品の輸出も盛んになってきました。
現在の輸出額は7500億円ですが、近い将来は、1兆円を目指しています。
なかでも、コメ関連は大きな成長が期待されて、
日本米、日本酒、米菓などの輸出をコメ換算で10万トンにするという目標が立てられました。
2020年には680兆円になる世界の農産物・食品の貿易市場で、
高品質の日本産がシェアを伸ばす可能性は高いと思います。
食品の世界水準を先取り
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には、
海外からの観光客が約4,000万人といわれ、
日本で食を経験→買う→帰国後も普及→日本から輸入という方向づけをすることで、
さらに日本の食は拡大していきます。
また、オリンピック・パラリンピックでは高品質で安全・安心な食を提供するため、
①食材の安全、②周辺環境や生態系と調和した生産活動、
③作業者の安全といった3つの調達基準を設けていますが、
2020年を待つまでもなく、国際貿易やレストランの調理現場では、
近年、高い品質・衛生基準を満たすことが常識になってきました。
これらを管理するものとしてHACCP、ハラル認証、ISO認証、
トレサビリテイ、G-GAP (global-good agriculture practice) などの
国際的な資格や取り組みは、当たり前になりました。
NAFUの農場でも、教師と学生が一緒になって、G-GAP取得を目指しましょう。
英語で<20/20>、これは、「見通しがよく効く・洞察力がある」ということを意味するようです
日本の食がさらに拡大する2020年に向けて今後発展していく日本の食に目を向けてみましょう。
- *次回は、「先端技術と食の安心、安全 GMOをよく知ろう」です。 (渡辺こうめい)