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【第9回】食べ残しをゼロに NAFUの資源循環システム

環境には3つのRで
環境に配慮するキーワードとして、①Reduce ‐減らす、②Reuse-再利用する、
Recycle-(原料に戻して)循環利用するの3つが基本とされ、食品にも同じことが求められます。

食品の廃棄量と「食品ロス」 
日本での廃棄量は年間で1713万トン(1人当たり134kg)と大きな数字です。
このうち、まだ食べられるのに廃棄されるものを「食品ロス」といい、
飲食店などの事業系で339万トン、家庭系では282万トン、全体で621万トンがいわゆる「食べ残し」です。
ス-パ-やコンビニからの返品処理も多く、家庭では、製造年月日・賞味期限に敏感で、
古いと食べないで廃棄処分にすることなどが背景にあります。
食べられる部分なのに、食べられる状況なのに捨ててしまう食生活のあり方を見直して、
貴重な食料を余さず無駄にせず「いただく」ことを考えましょう。

30-10運動
67年前に松本市で始まり、全国に広がりつつある運動です。
「会食での食べ残しを減らし、食品の廃棄量を縮減するため、乾杯後30分間と終了前10分間は自席で
食事することを呼びかけること」で、実際にも、長野県民のゴミ排出量は、全国最小です。
食品の消費期限、賞味期限と販売期限についても、真剣に検討する時期に来ました。
外食でもて余した食事には、「ドギ-バッグ」(持ち帰り)がお奨めですし、
企業や家庭の「安全面で問題ないが処分せざるを得ない食品」は、「フ-ドバンク」を通じて
施設などに提供する「セカンドハ-ベスト」も本格化させる必要があります。

「もったいない」は理想の表現
ノ-ベル平和賞のケニア人女性のワンガリ・マ-タイさんが、2005年の来日のときに言った
「MOTTAINAI」の言葉は世界に広がりました。マ-タイさんは、きっと、先ほどの「3つのR」に加えて、④Respect-食べ物、資源を大切することを強調されたのでしょう。
世界食糧計画(WFP)の援助総量300400万トン、日本の食べ残し621万トンを比べてみてください。


NAFUでも、大学内の循環システムをつくり、食堂や農場から排出される農産物・食品の残渣は、発酵装置を通して堆肥(たいひ)にし、農場に還元していきます。

 

  •   *次回は、「食料産業はすばらしい仕事」です。       (渡辺こうめい)

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