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【第43回】納豆の経木、世界の納豆仲間、発酵食品

「納豆シリ-ズ」の第2弾、納豆の販売容器であった「経木」などを取り上げます。

三角形の経木(きょうぎ)  
かつての納豆の包装「経木」は「アカマツ」を紙のように、ごく薄く削ってできるそうです。
小泉 武夫さんなどによれば、このアカマツには旨味成分である「アミノ酸」が含まれていますから
経木を通して納豆の味が一層よくなるのだそうです。
なお、ここからは推測ですが、松茸が赤松の根に生えるのもそのせいかもしれません。

納豆の仲間たち 
納豆は、日本でだけの食品ではありません。
東南アジアにも広く分布し、とりわけ照葉樹林文化圏と重なるように思えます。
朝鮮半島、中国南部、タイ、ラオス、ミャンマー、インド東北部、ネパ-ルには
似たようなものがあり、なぜか西アフリカにも飛地のように
「ダウダウ、スンダラ」という納豆があるといいます。
糸を引くもの・引かないもの、乾燥しているものと、その種類も多様です。
乾燥の納豆は旅行携帯用にも便利です。確か、有楽町のJALショップで売っていました。

日本の発酵食品は世界一 
発酵食品は日本が世界一でしょう。
醤油、味噌、日本酒、酢だけではなく数え切れないほどです。
これに大きな貢献をしているのが、自然界にある麹菌、酵母、乳酸菌などです。
煮た大豆をすりつぶして「味噌玉」にし、空中に吊り下げておくと
味噌麹が付着しておいしい味噌になっていきます。
長野県の北安曇地域では、今でもこのやり方でおいしい味噌が作られています。
大豆につく麹菌、米につく麹菌と相性は異なるようです。
新潟は、日本酒の蔵元がが90もあるように、本来は発酵食品の大産地なのですから
これからは、もっともっと発酵食文化の発信基地になっていいですね。

余談ですが、空中の麹菌や蔵の中に漂う酵母は日本酒の醸造に決定的な役割を果たしていますので
かつて東京・北区の「醸造試験場」が広島に移転したときには
コンテナに空気(=酵母)を入れて移動させたとも報道されていました。

フードコースで、古くとも理に適っている食品の製造を「科学的に」解明しましょう。


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