食農大の日常
エラスムス+教員交流により、イタリア・トリノ大学 Marco Devecchi教授を迎えました
本学では、エラスムス+プログラムに基づく教員交流の一環として、2026年7月12日から20日まで、イタリア・トリノ大学農学・森林・食品科学部(Department of Agricultural, Forest and Food Science, University of Turin)のMarco Devecchi教授をお迎えしました。
Devecchi教授は園芸学を専門とし、花き園芸、観賞植物、歴史的庭園、都市緑地、農村景観を主な研究分野とされています。これらの分野で数多くの研究業績を有するほか、2023年からはトリノ農業アカデミー会長を務めるなど、イタリア国内外で幅広く研究・教育活動を展開されています。
7月13日には、園芸学を専門とする趙鉄軍准教授ゼミの主催により、「The Heritage of the Historic Gardens and UNESCO Rural Landscapes of Piedmont (Italy)」をテーマとした特別講演会を開催しました。講演では、豊富な写真や具体的な事例を交えながら、イタリア・ピエモンテ州における歴史的庭園やユネスコ世界遺産に関連する農村景観の歴史的・文化的価値と、それらを次世代へ継承するための保全・活用の取組についてご紹介いただきました。講演後には参加者との活発な質疑応答も行われ、園芸学や景観学の視点から文化的景観の保全について理解を深める貴重な機会となりました。
滞在期間中は、本学教員との研究交流や意見交換も行われ、教育・研究に関する知見を共有するとともに、今後の学術交流のさらなる発展が期待されます。
【聴講学生の感想】
ご講演を拝聴し、まず率直な感想として、紹介された庭園の写真がどれも美しく、印象に残りました。一方で、私の研究分野はDevecchi先生と異なるため、当初は歴史的庭園の研究がなぜ必要とされるのかを十分に理解できずにおりました。
しかし講演を振り返るなかで、庭園が建築とは異なり生きた植物で構成されている以上、その保存は園芸技術そのものであることに気づきました。ブルチーナ庭園のシャクナゲコレクションは、現在では入手が難しい品種を含む遺伝資源であり、ラコニージ城の柑橘やストゥピニージのヤシは、冬の寒いピエモンテでそれらを維持してきた栽培技術の記録でもあると理解しました。
また、ぶどう栽培景観のお話からは、景観そのものが地域に経済的価値をもたらすという視点を学びました。これは、私がこれまで花き産業について考えてきたことと重なる点であり、大変興味深く感じました。(本学大学院修士課程1年生)
本学では、今後もエラスムス+協定を活用した教員・学生交流を積極的に推進し、国際的な教育・研究活動の一層の充実に努めてまいります