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Aqua Riseがグランプリ!!中山ゼミ・越後ボーイズが審査員特別賞を受賞! 「にいがた食と農の未来」学生ビジョンコンテスト2025

~プレゼン時間8分に思いを込めて~
にいがた食と農の未来 学生ビジョンコンテスト2025 の決勝大会が11月8日(土)、コープシティ花園GARESSOホールで開催され、部門B(地域活性化)に出場したAqua  Rise【食料産業学科3年:本田さん/塚本さん/市川さん/内田さん/島田さん】が最優秀賞(グランプリ)に輝き、部門A(自由テーマ)に臨んだ中山ゼミ・越後ボーイズ【食料産業学科3年:近藤さん/小嶋さん/笠原さん】が審査員特別賞を受賞しました!!



今年で4度目の開催となった今大会には、新潟県内の大学、大学院、専門学校、高等専門学校などから20チームの応募があり、一次審査を勝ち抜いた12チームが決勝大会(A部門6チーム、B部門6チーム)に進出。本学からは2チームがファイナルステージに進出しました。

【グランプリ】Aqua Rise
若者が地域に関わる新しい形。農水産業と消費者を繋ぐ、地域ブランドの持続的な発展ー
B部門トップバッターを務めたAqua Rise。作品目は 推しは突然に。ふぞろいだけど輝く❝にいがただすけ❞トレカプロジェクト まず注目すべきは「推しは突然に」と、新潟弁である「だすけ(~だから、~のおかげで)」というワードを使用したネーミングセンス!! このタイトルに興味を惹かれない人はいないでしょう。序盤はポインターが稼働しない!?というハプニングがありながらも、落ち着いて対応。プレゼンターを務めた島田さんの流れるようなリズムの良い語り口と、本田さんの力強さの中に、優しさと説得力のある口調で会場を自分たちの世界に染めていきます。
分野を問わず4人に1人は推し活を楽しんでいる時代。現在、推し活の経済効果は3兆5千億円の市場規模があり、トレカも3千億円の市場価値があるそうです。Aqua Riseはそんな「推し活」に注目。地域で大切にされている資源と、トレカやМBTI診断(性格診断)など、農水産業と推し活を掛け合わせたプロジェクトを発案しました。
Aqua Riseの挑戦の舞台となっているのは新潟漁業協同組合南浜支所。同チームはこの地域で取れるあらゆる地域資源を「南浜だすけ」と名付け、ファン化を図ることにしたそうです。イベントなどに出向いて地域の人と交流しながらインタビュー調査を行い、地域資源から16のキャラクターを設定。既にテストマーケティングも実施されており、利用者は専用サイトでいくつかの質問に答えると、自分の性格タイプが16あるキャラクターに当てはまる、といった経験ができるそうです。地域の子供たちからは「かわいい」「全部のカードを集めたい」と大好評だったようです。
若い世代を巻き込むトレカやSNS戦略。プレゼン資料にはキャラクターが音楽に合わせて踊ったり、サーフボードで波に乗ったりする動画が盛り込まれるなど、「いや、もうバズる未来しか見えない!」(取材者の心の声)。誰もが納得する圧巻の発表が続きました。
このプロジェクトの強みは「低コストで小規模地域でも実施ができる」「若年層の関心を惹きつけられる」「SNSとの相性の良さ」と本田さん。МBTI診断の結果共有や、SNSでバズり動画が拡散されることで、農水産業に無関心な世代にもアプローチすることが可能になりそうです。
地域資源の推し化、さらに新潟の方言を取り入れることで親しみやすさとブランド化の確立・・。グランプリ受賞は、必然。今までにないアイディアに、審査員の方々は「キャラクター化することで、より身近に感じることができる」「本当に今すぐプロジェクト化できそう!」と、興奮気味に絶賛されていました。
あなたの推しが地域を救う!プレゼンターを務めた本田さん、島田さんは「メンバーが次々とアイディアを出してくれた。制限時間8分の中でどれを残して、どれを諦めるか。かなり大変な作業でしたが、全員の力で臨んだ結果。嬉しいです」と声をそろえ、メンバーたちと喜びながらグランプリ受賞をかみしめていました。



【審査員特別賞】中山ゼミ・越後ボーイズ
SWOT分析を活用し、廃棄物という弱みを新たな価値へ―
「秘密道具です」。ニヤリと笑いながら大きなクーラーボックス2つを抱えて会場入りした中山・越後ボーイズ。本番ギリギリまで打ち合わせをし、A部門ラストの6番手でプレゼンに挑みました。
テーマは エソを使用した「新潟バーク」の開発 ❝未利用魚❞のマエソ(ヒメ目エソ科)にスポットを当てた作品を披露しました。
かまぼこなど練り物の原料に適したマエソは本来、沖縄~九州南岸の日本海など温かい海域の浅瀬で水揚げされますが、地球温暖化の影響による海水温上昇で北上して来ているそうです。新潟の港でも漁獲量が年々増えていますが、県内には一次加工業者がゼロ。残念ながら多くが破棄されてしまうようです。
なかなか骨が多く、調理、使い方が難しい魚のマエソ・・どうにか活用する方法は見いだせないのか。越後ボーイズは課題を逆手に取り、試行錯誤を繰り返した結果、老若男女に愛される「ハンバーグ」(マエソのミンチ、卵、玉ねぎ、パン粉、香辛料、塩など)を開発しました。プレゼン序盤にはクーラーボックスから秘密道具の「新潟バーク」を取り出して審査員の方々に配り、味覚、嗅覚でも魅了。未利用魚の強み、弱みの要素に触れながら、現状の可視化や戦略策定、リスク管理を織り織り交ぜた見事なプレゼンを展開しました。
次々と完食する審査員の方々は「家で試したいのでレシピを教えてほしい」など、食い気味で質疑応答の制限時間ギリギリまで質問を繰り返していました。
プレゼンターを務めた近藤さんは「かなり緊張しましたが、やり切りました」とホッとした表情。作品を形にする過程で「意見がぶつかり合うことは何度もありました」と苦笑いで明かしつつ、「このメンバーと大会に臨めて本当に良かった」と、晴れやかな笑顔を見せてくれました。
発表を見守った中山健先生は「机上で話し合うより足で情報を得たほうがいいぞ、と話していた。SWOT分析を含めて良いプレゼンだったね」とニッコリ。近藤さんは「次はグランプリを獲ります」と、早くも次回大会に向けて気持ちを切り替えていました。





決勝大会開始前、「生徒より緊張しています」と話していた高力美由紀先生。表彰式後、「2チームとも課題をブラッシュアップしながらここまで来た。よく頑張りました」。日々の努力、そして、パッションを込めたオリジナリティー溢れる発表をした生徒たちの成長を一番に喜んでいました。




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