ベトナムとタイで低炭素型農業・畜産の国際ワークショップ - 松田副学長開会挨拶
農研機構が主催する内閣府の「BRIDGEプログラム」において、ベトナムとタイで低炭素型農業・畜産の国際ワークショップが開催され、このプログラムのプログラムディレクターを務める松田敦郎新潟食料農業大学副学長が開会の挨拶を行いました。本ワークショップには日本およびASEAN諸国の研究機関、大学、政府機関、企業関係者が参加し、低炭素型農業技術やビジネス展開について意見交換が行われました。
1.低炭素型稲作ワークショップ(日越連携)
2026年2月27日(金曜日)、ハノイのVietnam National University of Agriculture(ベトナム国立農業大学:VNUA)において、「日越連携による低炭素型稲作の推進(Advancing Low-Carbon Rice Production through a Japan–Vietnam Partnership)」をテーマとした国際ワークショップが開催されました。本ワークショップは、農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)が実施するBRIDGEプログラムの一環として行われ、日本とベトナムの研究者や企業関係者が参加しました。
ワークショップでは、水田からの温室効果ガス削減に向けた技術として、「AWD(Alternate Wetting and Drying:間断かんがい)」と呼ばれる水管理技術が紹介されました。この方法は、水田の水管理を工夫することでメタン排出量を約30%削減できる可能性があるとされ、低炭素型稲作の実践的手法として注目されています。
ベトナムは世界有数の米輸出国であり、低炭素型稲作の導入は温室効果ガス削減と農業の高付加価値化を両立する重要な取り組みとされています。ワークショップでは、研究機関と企業の連携による技術実証や、カーボンクレジット制度(J-クレジットなど)を活用した取り組みについても議論されました。
※VNUAと本学は昨年、学術交流に関するLetter of Intent(LOI)を締結しており、学生・教員の相互交流や共同研究などの教育研究協力を進めています。また、果樹栽培分野においても共同研究を実施しています。
2.低炭素型畜産ワークショップ(日ASEAN連携)
続いて2026年3月2日(月曜日)、バンコクにおいて「日ASEANパートナーシップによる低炭素型畜産の推進(Advancing Low-Carbon Livestock Production through a Japan-ASEAN Partnership)」をテーマとした国際ワークショップが開催されました。
本ワークショップには、日本およびASEAN諸国の研究者、政府機関、企業関係者が参加し、低炭素型畜産や温室効果ガス削減のための技術・政策について議論が行われました。
松田副学長は開会挨拶の中で、「畜産業は現在、動物福祉や家畜排せつ物、反すう動物の消化活動から生じる温室効果ガス排出といった課題に直面している」と指摘しました。特に「ASEAN諸国では、他地域と比べて農畜産業からの排出が多い」と説明しました。
また、タイ側からはThai Greenhouse Gas Management Organization(TGO)による農業・畜産分野の温室効果ガス削減の取り組みが紹介されました。タイでは農業・畜産分野が温室効果ガス排出量の約17.8%を占めており、カーボンクレジット制度「T-VER」を通じた排出削減プロジェクトが進められています。
今後も本学は、国際的な研究交流や産学連携を通じて、持続可能な農業・畜産の発展と地球温暖化対策に取り組んでまいります。