社会連携活動
【アグロフードセミナー】「私たちはなぜ料理するのか」―食農大【自炊塾】からのメッセージ―
料理は、お腹を満たすためだけのものでしょうか。
一皿の料理には、食材を育てる生産者の思いがあり、それを調理する人の工夫があり、それを囲む食卓や食べる人の笑顔があります。料理とは、そうした人々をつなぐ営みではないでしょうか。
2026年度第1回「アグロフードセミナー」では、「私たちはなぜ料理するのか」をテーマに、その問いを、会場とオンライン、総勢70名の参加者の皆さんと一緒に考えました。
★料理「生きる力」を育み、人と食をつなぐ
第1部では、本学 食料産業学部 食料産業学科長・アグリコース長の比良松 道一教授が、「自炊塾について」と題して研究紹介を行いました。
2013年にスタートした自炊塾は、単に料理を学ぶ科目ではありません。
講演では、「レシピがあっても、まったく同じ料理が作れるわけではない」という視点から、地域による調味料や食文化の違い、実際に料理をすることでしか身に付かない感覚が料理の多様性を生み出すことについて紹介されました。
さらに、料理は経験を通じて身近な食材や地域への理解が深まり、自ら考え、工夫する力が育まれることが伝えられました。
★料理は、作る人と食べる人をつなぐ
第2部では、14年前に比良松教授が在籍した大学で自炊塾を受講し、フードクリエイターとして活躍している丸山 千里氏による講演「料理でつなぐ作る人、食べる人」が行われました。
丸山氏は、料理人日本一を決めるコンテストへの挑戦や、地域食材を活かした商品開発など、自身の活動を紹介しました。
かまぼこを使ったラーメンや、なまり節とトマトを組み合わせたパスタ、カニと柑橘を使用したお茶ラーメンなど、固定概念にとらわれない発想から生まれた料理には、生産者の思いを食べる人へ届ける力があることが語られました。
★自炊から始まる、それぞれの物語
第3部では、「あの日の自炊から始まった私たちの物語」をテーマに、丸山氏(自炊塾卒業生)と自炊塾の現役受講生、参加者によるクロストークを実施しました。
学生や卒業生からは自炊塾での経験が現在の暮らしや仕事、人との関わり方にどのようにつながっているのかが語られました。
さらに、会場の参加者も交えた意見交換では、「私たちはなぜ料理するのか」という問いに、それぞれの立場から考えを共有しました。
今回のセミナーを通して見えてきたのは、「料理とは、食べるための技術」であると同時に、さまざまな地域で食材を育て、その食材で料理をする「作る人」と、それを味わう「食べる人」をつなぐ営みであるということでした。
新潟食料農業大学では、今後もアグロフードセミナーを通じて、食と農業の魅力を引き出す研究や実践を広く発信し、多様な人々がつながる学びの場を創り続けていきます。
最後に、ご登壇いただいた講師の皆様、ご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。多くの皆様にご参加いただき、活発な意見交換が行われたことで、大変有意義なセミナーとなりました。誠にありがとうございました。
あなたは、なぜ料理をしますか。