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【アグロフードセミナー】離島の生徒たちの想いから生まれた「島はるかクッキー」―粟島浦中学校の生徒が紡いだ、島と人をつなぐ協働プロジェクト―

1枚のクッキーには、どのような想いが込められているのでしょうか。



新潟県の離島・粟島で育ったさつまいも「島はるか」。そのさつまいもを使ったクッキーは、「島の新しいお土産をつくりたい」という中学生の想いから生まれました。

2026年度第2回アグロフードセミナーでは、「島はるかクッキー」の誕生と、その後の取り組みをテーマに、中学校・大学・福祉事業所が協力して進める、島と人を繋ぐプロジェクトについて紹介しました。



当日のアーカイブ配信はこちらからご覧いただけます。



★「卒業までに商品化したい」―生徒たちの想いから始まった協働

きっかけは、粟島浦中学校の生徒たちによる本学への訪問でした。その後、島内で生徒たちと耕作放棄地を再開墾して育てたさつまいも「島はるか」について、粟島浦中学校から本学へ相談が寄せられました。
「新たな島のお土産として、島はるかのお菓子を卒業までに商品化できないか。」
その想いを受け、本学の社会連携推進課を通じて、社会福祉法人愛宕福祉会未来ワークサポートさかまちとの連携が実現。限られた時間の中で、クッキー開発がスタートしました。
本学の阿部先生・田副先生からは、プロジェクトの経緯や、粟島の農業に関わる研究について紹介されました。耕作放棄地を活用した作物栽培やブランド化を背景に、大学の研究と地域の実践がつながる取り組みが伝えられました。





★育てる、伝える、販売する―生徒たちがつなぐ島の魅力

粟島浦中学校教諭遠田先生からは、生徒たちの活動について紹介されました。
生徒たちは、さつまいもの栽培に取り組むとともに、島を訪れる人へのPRや、島外でのクッキー販売にも参加。インスタグラムを活用した情報発信など、商品を通じて粟島の魅力を届ける活動を続けています。
“島はるかクッキープロジェクト”は、3年生から1・2年生へと引き継がれています。卒業を機に終わるのではなく、次の学年へと受け継がれていく活動からは、生徒たちが主体となって島の魅力を発信し続けています。
さらに生徒たちは、バケツで稲を育てる活動にも取り組んでいます。
1964年に発生した新潟地震により、粟島の土地が1m以上隆起したことで、新潟県内30自治体のうち唯一、粟島では稲作ができません。
田副先生とゼミ生による土壌調査で、昔田んぼだった痕跡を見た中学生が、「ここで稲作ができる?」と質問してくれたことがきっかけで、粟島の土を使ったバケツ稲へのチャレンジがスタート!
5月に植え付けを行い、草丈の計測や観察を続け、9月には収穫を行いました。







★クッキーづくりが広げる、仕事と交流の機会

未来ワークサポートさかまち浮須様からは、クッキーの製造を担う立場から、プロジェクトを通じた変化について紹介されました。
同事業所では、地産地消をコンセプトに、地元の食材を活用したお菓子などの商品づくりに取り組んでいます。「島はるかクッキー」の開発でも、試作を重ね、事業所の利用者と協力しながら、生徒たちの想いを形にしていきました。
中学生と一緒に販売した経験や、生徒たちから届いた感謝の言葉・手紙は、利用者の自信や励みに繋がったといいます。また、販売先や製造の機会が増えることは、利用者一人ひとりの仕事の役割や、工賃の向上にも繋がっています。
1枚のクッキーが、地域への貢献と、人との交流、働く喜びを生み出していることが伝えられました。




★学校・大学・福祉がともに考える、協働のこれから

後半は、本学阿部先生・田副先生、粟島浦中学校遠田先生、未来ワークサポートさかまち浮須様によるパネルディスカッションを行いました。
中学校・大学・福祉事業所それぞれの立場から、プロジェクトを通じた生徒や地域の変化、取り組む中での苦労や今後の改善点について意見が交わされました。また、参加者から事前に寄せられた質問にも答え、島と人を繋ぐ協働の取り組みを振り返りました。
プロジェクトの継続を通じて、多感な時期にある生徒たちが自ら考え続ける機会をつくっていくことの大切さについても語られました。
閉会後には、参加者と講演者が交流する時間も設けられ、講演で紹介された「島はるかクッキー」の販売も行われました。商品の背景にある想いや取り組みを知り、実際の商品に触れる機会となりました。




今回のセミナーで紹介されたのは、中学生の「島を盛り上げたい」という想いが、さまざまな人の協力によって形になり、次の世代や新たな仕事へとつながっていく姿でした。
新潟食料農業大学では、今後もアグロフードセミナーを通じて、食と農業に関わる研究や実践を広く発信し、多様な人々がつながる学びの場を創り続けていきます。
ご登壇いただいた皆様、ご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

1枚のクッキーから、あなたはどのような島の物語を感じますか。




セミナーで紹介された粟島浦の土壌標本(モノリス)とともに記念撮影
登壇者(左から)
新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 アグリコース 准教授 田副 雄士
粟島浦中学校 教諭 遠田 茉央 氏
新潟食料農業大学 学長 中井 裕
社会福祉法人愛宕福祉会 未来ワークサポートさかまち管理者 兼 サービス管理責任者 浮須 久美子 氏
新潟食料農業大学 食料産業学部 食料産業学科 フードコース 准教授 阿部 憲一



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